PRODUCTION NOTES
プロダクションノート

10年越しの、念願の映画化
2004年にフランスで刊行されたノエル・シャトレによる小説“最期の教え”を読んだ監督のパスカル・プザドゥーは衝撃を受けたと言う。「私が30歳の時、友人の最期に付き添ったことがあります。私は“死”というものに対応できず、敗北感に打ちのめされた。でもこのノエルの本を読んで、彼女と彼女の母のミレイユ・ジョスパン(本作中のマドレーヌのモデルとなった人物)は、私と友人より、はるかに多くのものを共有していたことに驚かされたわ。愛する人を失うと誰もが何かしらの後悔をする。でも愛する人と過ごすことによって、愛する人を受け入れることによって、後悔しないようになることに気付いた。この映画を観てくれる人に、後悔しないように生きようと伝えたかったの」  今を最大限生きることの重要性を伝えるためにも、この書籍を映画にしたいと感じたパスカル監督は、すぐに映画化権を獲得しようとするが、ノエルに断られる。「彼女は他の映画監督からの申し出も断っていた。自身が経験したばかりのことをスクリーンで見るには、まだ早すぎたのね」  こうして一度は挫折した企画だが、ずっとこの物語が頭から離れなかった監督に、11年後チャンスが訪れる。原作者のノエルは振り返る。「“最期の教え”を出版した際、映画化の申し出はいくつかあったけれど、私は心の準備ができていなかった。でも11年後にパスカルが来た時、私は即答で彼女の申し出を受け入れたの。時間が経過していたし、彼女には説得力があった。彼女が打合せに持ってきた文庫版の“最期の教え”はボロボロになっていたのよ。何度も読み返した跡が見えた。彼女はこの本に感動してくれていて、本気で映画化したいのだと感じました。彼女の情熱は本物だった」