映画「シチズンフォー スノーデンの暴露」公式サイト » INTRODUCTION

INTRODUCTION

Laura,

At this stage, I can offer nothing more than my word.
I am a senior government employee in the intelligence community.
I hope you understand that contacting you is extremely high risk and
you are willing to agree to the following precautions before I share more. This will not be a waste of your time.

The following sounds complex but should only take minutes to complete for someone technical.

I would like to confirm out of email that the keys we exchanged
were not intercepted and replaced by your surveillance.
Please confirm that no one has ever had a copy of your private key and
that it uses a strong passphrase.
Assume your adversary is capable of one trillion guesses per second.

If the device you store the private key and enter your passphrase on
has been hacked, it is trivial to decrypt our communications.
•Understand that the above steps are not bullet proof and
are intended only to give us breathing room.

In the end, if you publish the source material, I will likely be immediately implicated.
This must not deter you from releasing the information I will provide.

Thank you, and be careful,

Citizen 4

ローラへ

今提供できるのは、私の言葉だけです。
私は情報機関の上級スタッフでこうした接触には大変な危険が伴います。

まずは次の予防対策を取ってください。重要なことです。

複雑そうですが専門家にお願いすれば簡単です。
あなたの監視者にやり取りを傍受されませんよう
秘密鍵のコピーは作らず、パスフレーズも安全に。

敵は毎秒1兆種類を推測可能です。
秘密鍵を格納している機器がハッキングされたら
我々の会話は解読されます。

上記の対策は万全ではなく時間稼ぎに過ぎません。

文書を公表すれば私の関与が疑われますが提供する情報は公表してください。
くれぐれも用心を。

シチズンフォー 
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』冒頭より


 2013年6月、ひとりの若者の内部告発により全世界に衝撃が走った。彼の名はエドワード・スノーデン。CIAや国家安全保障局(NSA)で訓練を受け、2009年には横田基地のNSA関連施設で高度な機密を扱っていたこともあるサイバー・セキュリティのエキスパート。その告発内容は、国家による違法なプライバシー侵害行為が、一般国民を対象に、かつてない規模で行われている、という驚くべきものであった。

 スノーデン事件……それは米国の二大情報機関に属した若者が、戦慄すべき国家権力濫用の実態を大量の機密文書とともに暴露した上、自ら実名で名乗り出るという、かつて類を見ない大事件だった。

 その一部始終をリアルタイムで記録した、極めて貴重な“時代の生の証言”が本作である。スノーデンからの接触、香港で密かに行われた独占インタビュー、スクープ記事の公表と反響、そしてスノーデンの脱出まで、一大センセーションを巻き起こした事件のすべての真相を観客は目撃することになる。

コードネーム“シチズンフォー”を名乗る人物から、政府の極秘事項に関する重大な情報提供を示唆するメールを受け取った映画監督ローラ・ポイトラスは、旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へ飛ぶ。そこでふたりを待っていたのは、元CIA職員エドワード・スノーデン。ローラがカメラを回す中、スノーデンは驚くべき話を始める。それは、政府が一般市民の電話の会話、メールの内容などの膨大な通信データを収集・分析しているという衝撃の事実だった。さらに驚いたことに、スノーデンは自ら内部告発者であることを名乗り出るつもりでいた。当局の追及がスノーデンに及ぶ前に、グリーンウォルドはこの事実をメディアに公表しなければならない。国家権力を敵に回した緊迫した状況の下、ポイトラスとグリーンウォルドはいかにしてジャーナリストとしての使命を果たす戦いに挑んだのか?

圧力に屈することなくスノーデン事件を記録した勇気ある当事者たちの仕事は、高い評価を受けている。グリーンウォルドの記事を掲載したガーディアン紙は、ピューリッツァー賞を受賞。彼が事件の全貌と機密文書を明らかにした著作(「暴露 スノーデンが私に託したファイル」新潮社刊)も世界24カ国で同時刊行されてベストセラーとなり、大きな話題を呼んだ。

そしてポイトラスによる本作は、『トラフィック』でアカデミー賞監督賞を受賞するなど、社会派色の濃い傑作も多数手がけているスティーヴン・ソダーバーグが製作総指揮を務め、2014年に公開。米国内のみならず、日本を含む世界中の国々が情報機関によって監視されているという、現代社会の知られざる現実を大胆に白日の下にさらした本作は、各国の映画・ジャーナリズム関係者から絶賛を浴び、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞をはじめ、40もの映画賞に輝いている。