監督と主演女優の強力な協力から生まれた驚愕のヒロイン

初めてタッグを組んだユペールを、ヴァーホーベン監督が絶賛する。「イザベルは恐れ知らずの女性だよ。どんなことにも挑戦するし、並外れて勇敢な人だ。たとえば、小説にはない映画オリジナルのシーンで、ミシェルが笑顔のままで身の毛もよだつような話をするシーンがあるのだけれど、イザベルは観客を困惑させるために軽やかに演じるべきだとすぐさま気付いていた。あの演技は、観る者を動揺させるね。あんな女優は、滅多にいないよ。」その演技について、ユペール自身はこう語る。「ミシェルには破滅的なユーモアがあるの。まるで毒を乗せた皿を差し出し、『本当におかわりはいらないの?』と微笑んでいるようでしょう。」そんなミシェルのキャラクターについて、ヴァーホーヴェン監督はこう解説する。「ミシェルが何を考えているのかを完全に把握するのは困難だろう。僕は選択肢がいくつもある状態が好きだ。実人生だってそうだからね。笑顔の裏に何が潜んでいるのか、あるいは何も潜んでいないのかなんて、誰にも分からないだろう。」一方、ユペールはミシェルをこう分析する。「ミシェルは、決して落ち込んだりしない。彼女は多種多様な側面を持っているわ。寛大で人から慕われるけれど、シニカルで冷たい面もある。独立心があるけれど依頼心もあり、何よりも情にもろいの。様々な出来事によって打ちのめされるけれど、壊れはしない。時代を象徴し、権力を手にした強い女性よ。経済、社会、そしてセクシャルな権力をね。彼女の革命は、男性の脆弱さを露わにするわ。彼女を丸い人間にしてしまっていたら、深刻な失敗作になっていたでしょうね。だけど、ポールと一緒であれば、そんな心配は全くなかったわ!」