78歳にしてますます熱い大御所の決意表明

「これは物語だ。現実の生活でもないし、女性についての哲学的な映像でもない。すべての女性が、ミシェルと同じように行動するべきだと言っているわけでもない」と、ヴァーホーヴェン監督は、この物語の立ち位置を説明する。「だけど、ミシェルはやった!そして、驚くべき演技をしてくれたイザベル・ユペールのおかげで、ミシェルの行動が完全に説得力のあるものになった」とヴァーホーヴェン監督は胸を張る。ヴァーホーヴェン監督の一貫した姿勢は、監督自身が作品を解釈する必要は全くないということだ。「解釈とは、映画から与えられた要素を元に、観客がするものさ。さらに観客は、その解釈が正しいかどうかなんて、確かめる必要もない。たとえば、ミシェルの行動は、幼い頃に父親から受けた心の傷が原因だったなんて、決めつけるような描き方はしたくなかった。彼女の性格や行動が、偏った視点によって捉えられることを避けたかった。すべては単なる可能性だ。それ以上でも、以下でもない。説明すべきはただ一つ、ミシェルの性格のあらゆる側面、それだけだ。彼女の行動はいつも通りだったのか、それとも何かが原因だったのかは、誰にも分からないんだ。」78歳になった今も、ヴァーホーヴェン監督は、「他の監督や脚本家がしてきたことをそのまま繰り返すつもりは全くなかった。観客を驚かせるほうがおもしろいし、愉快だ。僕はストラヴィンスキーを、そして彼の交響曲の型破りな作曲方法を崇拝している」と熱く語る。最後は、監督の長年のスローガンで締めくくられた。「常識を覆すんだ!」