音楽はこの映画に不可欠だが、ミッチェルは「よく陥りがちなヒット曲を集めただけの70~80年代映画になるケースは避けたかった」と説明する。「そのため、あまり有名ではない隠れた逸品も入れた。ダムド、ザ・ホモセクシャルズ、そして映画のために結成されたディスコーズなどだ。ディスコーズは楽曲も提供してくれた。カール・ニューマン(ザ・ニュー・ポルノグラファーズのメンバー)とエズラ・ファーマンは、パンク調のオリジナル曲もそれぞれ提供してくれた。また、古典的天才ニコ・マーリーは惑星から来た人たちのヴォーカルのアレンジをしてくれて、マエストロのマトモスのオーガニックなサウンドとコラボして音楽も作ってくれた。マトモスには、エレクトロニック音楽に聞こえないように、でもクラウトロックをヒントに音の繰り返しやビートを作ってほしいとお願いした。アンバー・マーティンとブレット・エヴリは、70年代のAMラジオ曲ヒッツを提供してくれた。ジェイミー・スチュワート(Xiu Xiuのメンバー)と私は、エルとアレックスがライヴで歌うためのミュージカル曲『EatMe Alive』を書いた。また、コクトー・ツインズからインスピレーションを得て、素晴らしいMitskiをヴォーカルにした『Between the Breaths』の曲も書いた」。
「ディスコーズは、なぜか懐かしいパンクバンドに聞こえる」とゲイマンは指摘する。「1977年のアルバムチャートに入っていても気付かないね。映画のためだけに作られたバンドなのに、音と雰囲気をつかむために、2回ほど実際に生のライヴで演奏したというのもすごい。彼らはこの映画に、絶対的なマジックを与えてくれた」。