美術:クレイジーなほど
細部まで作り込まれたセットと衣装
「ミニーの紳士洋品店」のセットは、壮観な山脈が背景に広がるウィルソン・メサのシュミット牧場とLAのスタジオに建てられた。『キル・ビルVol.1』で巨大な激闘空間、“House of Blue Leaves”をつくりあげた種田陽平が今回は魅力的な密室空間をデザインしている。「ミニーの店には何でもある。ドラッグストアであり、バーであり、レストランでもある。ただ紳士洋品だけがないんだ(笑)。とにかく、ほとんどの事件が起こるミニーの店を70mmフィルム撮影に耐えうるクオリティで構築する必要があった」と種田は説明する。様々なアクションや人間ドラマに合致した空間が複雑に組み合わされ、細部まで作りこまれている。インテリア、奇妙な瓶、ライフルのカートリッジ、食材やスパイスなどのディティールも観客を飽きさせない。思わず引き込まれるような世界観になっているのだ。