PRODUCTION NOTEプロダクション ノート

2012年10月、フランクフルト・ブックフェアで、ティムール・ヴェルメシュの小説
「帰ってきたヒトラー」を知ったプロデューサーのラース・ディートリヒは、製作パートナーのクリストフ・ムーラーに、
「今ある計画は全部忘れてほしい! 『帰ってきたヒトラー』の映画化に専念しよう」と持ち掛ける。ディートリヒのあまりの興奮に、
ムーラーは「僕もその本を見たが、映画化権は随分前に別の製作会社に買われているはずだと水を差さねばならなかった」と振り返る。

だが、ディートリヒは諦めなかった。翌日、ムーラーは発売元のアイヒボーン出版に電話をかけて、
「映画化権はすでに売却されているでしょうが、我々のアイデアをお話しすべきだと思いました」と告げた。
その時のことをムーラーは、「わずか一晩でコンセプトを決め、マーケティング戦略を練った。
数週間後、ヴェルメシュと出版社の経営陣が話し合い、結局私たちが権利を落札した」と語る。