PRODUCTION NOTEプロダクション ノート

主役のキャスティングは、干し草の山から針を探すようなものだった。
この年齢層で、ほとんど知られていない優れた俳優を見つけるのは簡単なことではない。
プロデューサーたちは様々な舞台を観劇し、遂にウィーンのブルク劇場で
オリヴァー・マスッチを見つけた。「正直、驚いたよ」とマスッチは振り返る。
「顔も似ていないし、身長も193センチと高すぎる。でも、彼らは是非会いたいと言うんだ。
だから、僕はYOUTUBEでヒトラーの演説をいくつか見て、彼の話し方を練習した。」
最初のオーディションのことを、ヴェンド監督はこう説明する。
「彼が独特な解釈で演じたヒトラーには説得力があった。何度も笑ったが、次の瞬間にはゾッとした。
そういう人間としての厚みが、この役にはとても大切だと思った。」

撮影前には、マスッチに正確な外見が与えられた。
2時間かけて、人工の鼻、目の下の隈、口周りのしわ、口髭が付けられた。