作中、金星人に目覚めた暁子は「ソヴィエト聯邦第一書記フルシチョフ閣下。先ごろ貴殿が敢行された五十メガトンの核爆発実験を聞き及び、憂慮にたえず、お手紙を差し上げる次第であります」と、時のソ連首相に手紙を書く。ここでいう「五十メガトンの核爆発実験」とは、米ソ間の核兵器開発競争が苛烈化するなか、ソ連が1961年10月30日に自国内で行った人類史上初の“大気圏内”核実験のこと。この実験には、「ツァーリ・ボンバ(「爆弾の皇帝」の意)」と呼ばれる人類史上最大の水素爆弾が使用されたが、この爆弾の出力は50メガトン、広島型原子爆弾「リトルボーイ」の3,300倍の威力があった。