映画史上初!最新鋭の潜水艦を完璧に再現

ヴァージニア級攻撃型潜水艦の複雑な内部のセットは、ロンドンのイーリング・スタジオに作られた。1990年代に最初に導入され、今日では最新ステルス技術、情報収集設備、武力システムが装備されている大変有能な艦で、少なくとも2043年までは米海軍艇の中心的存在であり続けると見られている。
マーシュ監督は、試乗体験の中で驚いたことを説明する。「僕がイメージしていた物と全く違っていた。たぶんそれは、これまでの潜水艦映画のせいだろう。映画の中でよく見るのは、すべてクロムメッキ加工されたきれいなものだ。しかし現実の潜水艦は、見た目ではなく、実践的な戦争の道具だ。テクノロジー面において海軍は予算を出し惜しみしないが、美しさに関しては意に介さない。そのため、本物の潜水艦は非常に工業的な形と感触だ。あちこちにワイヤーやパイプが張り巡らされ、物はただ釘で壁に留められている。活力とパワーを感じたから、そこを描きたいと思った」
「これまで公開されず、映画で描かれることもなかった本当の潜水艦の姿を見せることができる喜びに胸が躍った」と、プロデューサーのジョン・トンプソンは語る。「米海軍との合意に基づき、私たちは潜水艦のすべてを本物らしく描く誓約を立てた。彼らは気前よく、この潜水艦を今回初めて私たちに見せてくれた。そして、プロダクション・デザイナーのジョン・ヘンソンは、ケーブルの色に至るまであらゆるディテールを調べ上げて戻ってきた」
元潜水艦司令官の原作者のウォーレスは、「まるで本当にヴァージニアに乗っているような気分にさせてくれた。これまでに私が見た潜水艦映画の中で、本作はずば抜けて最もリアルなセットだった」と称賛する。
移動撮影を可能にするために、セットは実際の潜水艦よりも広めに作られた。しかし潜水艦の乗組員が毎日感じている息苦しさや逃げ場のなさを表現するには十分な狭さだった。バトラーは、「潜望鏡もソナーの画面も、航海図も制御室も全部そっくりだった。試乗した艦に戻ったような感覚に襲われた」と称える。
外観は、『007』シリーズでもお馴染みのパインウッド・スタジオの名高いパドック・タンクに作られた。
ロシアでのアクションの大部分は、ブルガリアで撮影された。ドゥーロフ国防相が大統領を人質に取るロシアのポリャルヌイ海軍基地のシーンは、黒海沿岸の町ヴァルナにあるブルガリア海軍基地で撮影された。
海軍顧問のクーンズが、締めくくる。「その道の専門家にセットに来てもらったが、彼らは実際に何日か海に出た時のような気分になったと言っていた。だから、観客にも同様の感覚を味わってもらえると期待している。本作は観客にリアルな軍事行動を体感する機会を提供するだけでなく、逆境の中で示される名誉と勇気、そして献身という海軍生活のもう一つの重要な部分を描いている」