イップ・マン 継承

4月22日(土)新宿武蔵野館他全国順次公開

監督:ウィルソン・イップ 音楽:川井憲次 出演:ドニー・イェン、マックス・チャン、リン・ホン、パトリック・タム / マイク・タイソン  原題:葉問3/2015年/中国・香港/広東語・英語/105分/カラー/シネスコ/ 字幕翻訳:鈴木真理子 配給:ギャガ・プラス

イントロダクション INTRODUCTION

伝説のカンフー・スター、ブルース・リーがその生涯で唯一、師匠と呼んだ武術“詠春拳”の達人イップ・マン。激動の時代に誠と誇りを貫いたその人生をドニー・イェン主演で描き、中国で驚異的な大ヒットを記録した“イップ・マン”シリーズ。日本では2011年に公開されたこの2作品から6年、待望のシリーズ第3弾『イップ・マン 継承』が、いよいよ日本公開!

舞台は、前作の舞台1949年から10年後の香港。人生において最も大切なものは何か。家族の危機や武術の危機に直面し、未来に繋ぐべき心のために闘おうとするイップ・マンの決意が、観る者の魂を熱くする。前作以上の中華圏の大ヒットのみならずアメリカでもスマッシュヒットを記録した迫真のカンフーアクション感動作、再びイップ・マン旋風が吹き荒れる!

主演は、今や“達人イップ・マン”が自身の代名詞ともなった“宇宙最強の男”ドニー・イェン。香港映画界が生んだ本格派アクション・スターにして、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ではそのカリスマ性で全世界を魅了。今改めて熱い視線を集める彼が、自らが敬愛するブルース・リーの師匠役で真骨頂を発揮する。かつてイップ・マンを演じるにあたって詠春拳を学び、その修得の早さで詠春拳の継承者を驚かせたという彼が、前作以上に多彩で自在な詠春拳やアクションを披露。そのしなやかで俊敏な技と、内面の演技が相まって、家族を愛し、武術を愛し、町を愛する、達人イップ・マンの決意が浮き彫りになる。

監督は、本作を含む“イップ・マン”シリーズ3作品で、香港電影金像奨監督賞にノミネートされた俊英ウィルソン・イップ。音楽を、“イップ・マン”前2作で香港電影金像奨音楽賞候補となった川井憲次。そして今回新たに、『マトリックス』シリーズ、『キル・ビル』シリーズの武術振付、武術指導で知られるユエン・ウーピンが参加、アクション監督を担う。

町を牛耳る最凶の不動産王・フランク役で存在感を放ち、イップ・マンとの激闘で魅せるのは、リングの内外で伝説を超えた男、元ボクシング世界ヘビー級王者マイク・タイソン。そしてイップに挑む不遇の天才武術家に、『グランド・マスター』で香港電影金像奨助演男優賞受賞、本作でも同賞にノミネートされ、今、中華圏で大注目の俳優マックス・チャン。かつてドニー・イェンのスタントマンを務めていた彼が、役柄同様、“同門の先輩”であるドニーに挑む、詠春拳の遣い手同士の“光vs.影”の渾身の戦いは魂揺さぶる迫力だ。

さらには、イップの波乱の人生を共に生きる妻・ウィンシンをリン・ホン(“イップ・マン”シリーズ)が好演。イップの献身的な愛に応える彼女の選択は、観る者の心を熱くするに違いない。

人間ドラマと本格アクションの見事な融合。日本は、感動に震える。

物語

1959年。好景気に沸く香港は、その一方で、無法地帯になりつつあった。裏社会を牛耳る最凶の不動産王・フランクによる暴挙から町を守るため、静かな達人イップ・マンは立ち上がる。だがそれは、自身の家族をも命の危険にさらすことを意味していた。

さらには、武術“詠春拳”の正統をめぐって挑まれた死闘・・・。果たしてイップは、人生において最も大切なものを見出し、守り、伝えることができるのか?

詠春拳とは Wing Chun

詠春拳の起源は諸説あるが、一般的には南少林寺の尼僧ギン・ムイが創始者とされる。清朝後期、ギン・ムイは広東省佛山に住む少女イム・ウィン・チュンに護身用の動きを教えた。修得したイムは、その一連の動きを「詠春拳(ウィン・チュン)」と名付ける。高く狭い距離感、力を抜いた柔らかさ、動きの率直さを特徴とした。その後、彼女の夫他を経て、武術に優れた医師の梁賛に伝授されると、彼は詠春拳を究めて実用化し、「詠春拳王」と呼ばれた。だが医療に多くの時間が割かれたため、彼から直接学べたのは、息子と陳華順の2名だった。
そして梁賛の死後、陳華順は、詠春拳を教えることを職業とする最初の師となる。生徒のほとんどは裕福な少年で、彼の最後の弟子が葉問(イップ・マン)。その後、葉問は、弟子達の指導に科学的視点を取り入れ、弱点を理解させるために外部との試合を奨励した。多くの有能な若者が葉問の流派に惹きつけられたが、ブルース・リーはその一人。こうして女性の護身術として生まれた詠春拳は、先人達を経て葉問へと継承され、今や世界中で高く評価される中国武術となっている。ちなみに映画のイップ・マンとチョンの会話で、「互いに梁賛の孫弟子であること」、「イップ・マンの師匠が陳華順であること」が語られている。

(参考資料:『Ip Man 3』英文プロダクションノート)

出演者 CAST

1963年、中国広東省広州市生まれ。香港を経て11歳でボストンに移住。幼少時から武術家の母に訓練を受け、その後10代で様々な武術を経験。『ドラゴン酔太極拳』(84未)で香港映画界に躍り出る。『ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱』(92)で注目され、香港電影金像奨助演男優賞ノミネート。その後、ハリウッドに進出し、『ハイランダー/最終戦士』(00未)、『ブレイド2』(02) 、『シャンハイ・ナイト』 (03)に出演。世界的ヒット作『HERO』(02)でも存在感を示す。アクション監督としても名高く、『ツインズ・エフェクト』(03)、及び『SPL/狼よ静かに死ね』(05)、『導火線 FLASH POINT』(07)、『カンフー・ジャングル』(14)などの主演作で香港電影金像奨アクション監督賞受賞。“イップ・マン”シリーズでは、うち第1弾で09年、香港電影金像奨主演男優賞候補となり、シリーズの成功でアジアのトップ・スターの座を盤石にした。その他の主な出演作に、『セブンソード』(05)、『孫文の義士団』(09)、『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』(10:アクション監督も)など。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)、『トリプルX:再起動』(17)で、改めて全世界に本格アクション・スターの存在感を示す。
1980年、中国江蘇省南京市生まれ。蘇州大学でファッションデザインとパフォーマンスを学ぶ。99年、上海でモデルとしてのキャリアをスタートさせ、02年、「中国ベスト・ファッションモデル」「中国ベスト10モデル」に選出される。06年、香港に拠点を移し、“イップ・マン”シリーズで08年、女優デビュー、イップの妻役を演じる。これらの好演で女優としてのオファーが殺到、『それでも恋する楽観男子』(09未)、主演作“我的野蛮女友2(中国版「猟奇的な彼女2」)”(10未)、主演作の台湾のTVシリーズ「王子様の条件」(11)など、多くの映画、ドラマで活躍。トップモデルとしても活躍中。
1974年、中国重慶市に生まれ、9歳で武術を始める。全国武術大会の太極拳部門で優勝、八卦掌部門で準優勝。98年にはユエン・ウーピンの武術チームに参加。『グリーン・デスティニー』(00)でチャン・ツィイーのスタント、チョウ・ユンファの武術指導などを手掛け、『HERO』(02)では、ドニー・イェンのスタントを担当した。『チャーリーズ・エンジェル/フル・スロットル』(03)ではアクション指導を務める。俳優に転向後は、『グランド・マスター』(13)で香港電影金像奨助演男優賞に輝き、本作でも同賞ノミネートを果たす。その他の出演作に、『エンプレス―運命の戦い―』(08)、『ゴッド・ギャンブラー レジェンド』(14)、『ドラゴン×マッハ!』(15)など。ハリウッド作品『パシフィック・リム:アップライジング(原題)』(18)への出演も決定。武術の才能と演技力を兼ね備えた、今、中華圏で大注目の俳優。
1966年、ニューヨーク市生まれ。リングの中外で伝説を超えた“最恐の男”。86年、史上最年少でWBC世界ヘビー級王者となり、翌年には3団体統一チャンピオンに。数々のトラブルを巻き起こし、05年、事実上の引退。その無敵のショーマンシップをエンターテイメント界で発揮する。映画出演作に、『ロッキー・ザ・ファイナル』(06)、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)、『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(11)など。活躍は舞台にも及び、自らの栄光と転落と再生の人生を語るラスベガスのワンマンショー“Mike Tyson: The Undisputed Truth”で成功を収め、12年にはスパイク・リー演出の同・独り舞台でブロードウェイ・デビュー、批評家の絶賛を浴びる。「真相 マイク・タイソン自伝」は国内外で出版され話題となった。11年、国際ボクシング名誉の殿堂博物館に殿堂入りを果たす。
1968年、香港生まれ。歌手、俳優として活躍。『BEAST COPS 野獣刑警』(98未)で香港電影金像奨助演男優賞受賞。その他、『銃弾に追われた街』(90未)、『パープルストーム』(99)、『決戦・紫禁城』(00)、『THE MYTH/神話』(05)、『冷血のレクイエム 【極限探偵B+】』(11)、『ファイアー・レスキュー』(13)などの映画や、「王の後宮」(11)などのテレビ作品に出演。
1951年、中国広東省生まれ。監督も務めた“何必有我?”(85)や、“3個受傷的警察”(96)で、香港電影金像奨主演男優賞を受賞。『大丈夫日記』(88)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』(91)、ジャッキー・チェンと共演して香港電影金奨助演男優賞候補となった『新ポリス・ストーリー』(93)、『導火線 FLASH POINT』(07)、他多くの映画で活躍する実力派。
1975年、香港生まれ。『少林サッカー』(01)で、ブルース・リーになりきって活躍するGK役に抜擢され、映画デビュー。『ツイ・ハークの 霊戦英雄伝』(02未)、『カンフーハッスル』(04)、『カンフー無敵』(06)などの映画に出演。TVシリーズ「ブルース・リー伝説」(08)では、ブルース・リーを演じた。

スタッフ Staff

1965年、香港生まれ。監督デビュー作のホラー・コメディ“夜半1點鐘”(95)の大ヒットで、新世代の監督として注目される。ロマンス作品『ジュリエット・イン・ラブ』(00未)で香港電影金像奨監督賞ノミネート。『OVER SUMMER』(99)、『スパイチーム』(00)、『トランサー 霊幻警察』(00)などを経て、ドニー・イェンを主役に、格闘技や武術を取り入れた刑事アクション『SPL/狼よ静かに死ね』(05)を監督・脚本、高い評価を得る。その後も『かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート』(06)、『導火線 FLASH POINT』(07)と続くドニーとのタッグは、“イップ・マン”シリーズを驚異的なヒットに導くに至った。シリーズ第1弾は09年香港電影金像奨最優秀作品賞に輝き、自らも“イップ・マン”シリーズ3作全てで香港電影金像奨監督賞にノミネートされた。
1956年、香港生まれ。香港映画界で最も成功したプロデューサーの一人。『男たちの挽歌』(86)などで一時代を築いたシネマ・シティの設立者の一人で、チョウ・ユンファやレスリー・チャン、ジョン・ウー、ツイ・ハークなどの映画人はこのレーベルの元で名声を博した。その後、マンダリン・フィルム・ディストリビューションを設立。同社は、『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」(06)、『導火線 FLASH POINT』(07)、“イップ・マン”シリーズ前2作などを製作。
1945年、中国、広東省広州市生まれ。初監督作『スネーキーモンキー/蛇拳』(76)、『ドランク・モンキー/酔拳』(78)でジャッキー・チェンをブレイクさせる。ドニー・イェンを見出したのも彼で、ドニーのデビュー作『ドラゴン酔太極拳』(84未)や、アメリカでは01年に公開され大ヒットした主演作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー』(93)の監督を務める。その後、彼の仕事に魅せられたウォシャオスキー姉妹に『マトリックス』シリーズ(99,03,03)の武術振付として招かれ、『キル・ビル』シリーズ(03,04)でも武術指導を務める。『ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱』(92)、『グリーン・デスティニー』(00)、『カンフーハッスル』(04)、『SPIRITSスピリット』(06)、『グランド・マスター』(13)などで、香港電影金像奨最優秀アクション監督賞受賞。
1957年、東京都生まれ。バンド活動の後、自宅録音に興味を抱き、CM等の仕事を経て映画音楽の世界へ。映画『機動警察パトレイバー THE MOVIE』(89)、『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』 (95)、『イノセンス 』(04)、『スカイ・クロラThe Sky Crawlers 』(08)などの押井守監督作品や、『リング』(98)、『DEATH NOTE デスノート』(06)、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(10)、『貞子3D2』(13)などの映画の他、「科捜研の女」シリーズ(99~)、「花燃ゆ」(15)などのTV作品、数々のゲーム音楽などを手掛ける。韓国や中国が関わる作品も手がけ、 『セブンソード』(05)、『墨攻』(06)、“イップ・マン”シリーズ、『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』(13)で香港電影金像奨音楽賞ノミネート。他にハリウッド作品『ゴースト・イン・ザ・シェル』(17)オープニング曲など。

クレジット Credit

〈出演〉
Donnie Yen:Yip Man (葉問) ドニー・イェン:イップ・マン
Zhang Jin:Cheung Tin-chi (張天志) マックス・チャン:チョン・ティンチ
Lynn Hung:Cheung Wing-Sing (張永成) リン・ホン:ウィンシン
Patrick Tam:Ma King-sang (馬鯨笙) パトリック・タム:サン
〈特別出演〉
Mike Tyson:Frank マイク・タイソン:フランク
〈共演〉
Karena Ng:Miss Wong (黃老師) カリーナ・ン:黄先生
Kent Cheng:Fat Po (肥波) ケント・チェン:警察官ポー
Leung Ka Yan:Tin Ngo-san (田傲山) レオン・カーヤン:ティン師匠
Louis Cheung :Tsui Lik (徐力) ルイス・チョン:弟子力
Chan Kwok Kwan Danny:Bruce Lee (李小龍) チャン・クォックワン:ブルース・リー
Babyjohn Choi:Newspaper reporter ベビージョン・チョイ:新聞記者
Director:Yip Wai Shun 監督:ウィルソン・イップ
ACTION DIRECTOR:Yuen Wo Ping アクション監督:ユエン・ウーピン
Producer:Raymond Wong 製作:レイモンド・ウォン
Screenplay:Edmond Wong 脚本:エドモンド・ウォン
Original Music:Kenji Kawai 音楽:川井憲次
Director Of Photography:Tse Chung To (H.K.S.C.) 撮影監督:ケニー・ツェー
Production Designer:Mak Kwok Keung プロダクションデザイナー:ケネス・マック
Editor:Cheung Ka Fai (H.K.S.E.) 編集:チュン・カーファイ
Costume Designer:Lee Pik Kwan 衣装:リー・ピッククワン