「私は高齢者に焦点を当てた映画に、少し慎重だったの」と、主演のヘレン・ミレンは告白する。「けれど、パオロ・ヴィルズィ監督の過去の作品を観て、素晴らしく人間的で軽妙かつ大らかな作風に心を惹かれた。自然主義で、ばかばかしかったり勇敢だったりするけれど、決してメロドラマ調にはならないのがパオロらしさね。私は彼のそんなスタイルが大好きなの。」 もう一人の主演のドナルド・サザーランドも肯く。「パオロは繊細で複雑な演出に長けている。一言で言えば、ひらめきだね。」教師を定年退職したジョンの役を引き受けた理由について、サザーランドはユーモアを込めてこう語る。「脚本の20ページ目ぐらいのところだった。ジョンが立ち上がり、私に話しかけ始めたんだ。それは素晴らしい会話だった。彼はとても明晰で、とても具体的だった。ジョンはこの脚本が好きだったんだ。」