見えない目撃者

監督:アン・サンフン 出演:ヤン・ミー、ルハン、チュー・ヤーウェン、ワン・ジンチュン他

4/1(金)TOHOシネマズ新宿ほか全国順次ロードショー

INTRODUCTION

 2011年韓国で公開された『ブラインド』は、R-18指定ながらも観客動員236万人、興行収入1.8億円を記録。韓国のアカデミー賞として知られる第48回大鐘賞映画祭で主演のキム・ハヌル(『きみはペット』(11))が最優秀主演女優賞を、脚本家チェ・ミンソク(『世界で一番いとしい君へ』(14))が最優秀シナリオ賞を受賞。韓国で公開された際、犯罪捜査が人間の五感に基づいて行われるという独創的なストーリーが広く称賛され、感動的な贖罪の物語は、瞬く間に批評家・観客を魅了した。そして、同作品監督でもある新鋭アン・サンフン自身が再びメガホンを取り、本作『見えない目撃者』をアジアの旬な才能を集結させ製作されたのである。原作の感動的な贖罪という要素をスリラーの要素に組み込み、中国の犯罪スリラーに新しいコンセプトを生み出している。
 主演には「宮 パレス~時をかける宮女~」「美人心計」などに出演し、”中国ドラマ界の女王”と称され最も人気の高い女優の一人であるヤン・ミー、『20歳よ、もう一度』(15)の演技が記憶に新しく、チャン・イーモウの新作“長城(The Great Wall)”(16)にも出演予定のアジアで絶大な人気を誇る新世代のスーパースター、元EXOのルハンを迎えた。2人を支える刑事役は、第26回東京国際映画祭で最優秀男優賞(『オルドス警察日記』(13))を受賞したワン・ジンチュン、2人を追いつめていく犯人には、ロウ・イエ監督『二重生活』(12)などに出演する演技派チュー・ヤーウェン。才能豊かな4人の俳優陣がおりなす事件の展開は緊張感溢れる最良のサスペンスとして評価され、中国では興行収入43億円の大ヒットとなった。
 物語の展開として、ストーリー、主役のキャラクター設定は韓国版オリジナルを踏襲しながらも、オリジナルの物語構成を全体的に見直し、『ブラインド』が刑事事件を中心とした展開に対して、本作は登場人物の関係や動きの変化に重きを置いた展開となっている。そのひとつとして、本作では犯人が女子大生を誘拐する動機として、妹との関係を描いており、それぞれキャラクターの心理描写などがさらに掘り下げられるなど、オリジナル作品にさらなるエッセンスをちりばめた新しい映画が誕生したのである。

STORY

 3年前の自動車事故で、弟リャン・ツォン(リウ・ルイリン)だけでなく自分の視力も失った元警察官候補生のルー・シャオシン(ヤン・ミー)。警察学校を去った彼女は心に痛みを抱えたまま、暗闇の中で生きている。ある雨の夜、乗っていたタクシーが何かにぶつかった衝撃を感じる。「人をはねた!」と直感する彼女は、運転手に詰め寄るが、「犬をはねただけだ。」と運転手は逃げ去ってしまう。しかし、彼女は運転手が事故で負傷した被害者を誘拐し、現場から逃走したことをすぐれた感覚で見破る。目の見えない彼女の証言を相手にしなかった警察も、彼女の鋭い観察力を知り、捜査の協力を依頼する。
 怪しいタクシー運転手をシャオシンとルー刑事(ワン・ジンチュン)が捜査する中、もう一人の目撃者リン・チョン(ルハン)が懸賞金欲しさに警察に出頭する。「あの車はタクシーでなく、外車だ!」という彼の証言は彼女のものとは完全に矛盾していた。そして、ある夜、リン・チョンが何者かに襲われ救急車で病院に運ばれる。頭の打撲だけで済んだ彼を狙ったのは、事故を起こした犯人なのではとにらんだルー刑事とシャオシン。シャオシンはこのことをリン・チョンに伝えるため一人病院に向かうが、リン・チョンは相手にしない。しかし、今度はシャオシンが襲われ・・・。
 そんな中、最近ニュースになっている女子大生連続失踪事件にこの事件が関係しているのではないかとつかんだ警察は、リン・チョンの協力も得て一人の整形外科医タン・ジェン(チュー・ヤーウェン)にたどり着く。タン・ジェンを調査するルー刑事は、彼が一連の失踪事件の容疑者だと確信。しかし、シャオシンとリン・チョンにもさらなる命の危険が迫っていた。

CAST

 1986年9月12日北京生まれ。4歳から子役として活躍し、中学卒業後、日本のファッション誌「Ray」の専属モデルとして起用されデビュー。名門の北京電影学院を2005年に卒業。中国のエミー賞にあたる金鷹賞に2回ノミネートされ、白玉蘭賞でも2つの賞にノミネートされて1つを受賞している。2009年、新世代の4大若手女優“四小花旦”の1人に選ばれた。2012年自分の事務所である杨幂工作室を設立し、制作も手掛けながら精力的に活躍を続け、中国の「ドラマの女王」として君臨している。2013年、主演したコメディー映画『失恋の達人~上手に愛を手放す方法』は、中国で興行収入125億円以上の大ヒットを飛ばし、ドラマチックな演技を絶賛された『小時代』の興行収入の累積額は350億円近くに上った。今年も新作ドラマ「翻訳官」に出演するなど中国映画界・テレビ界を代表する女優となっている。待機作品は、台湾俳優ウォレス・フォーとの共演作“致命倒数”、『小時代』シリーズの監督新作“爵迹 CRI ICAL”等。 プライベートでは、2014年に香港の俳優ハーウィック・ラウ(劉愷威)と結婚し、一児の母でもある。

<主な出演作>
2015年 “ユア・マイ・サンシャイン” (何以笙簫默)(ホァン・ビン、ヤン・ウェンジュン監督)
     “恋爱中的城市”(オムニバス・ストーリー プロデューサーの一人が岩井俊二監督)
2014年 『失恋の達人~上手に愛を手放す方法』(ユー・バイメイ、ダン・チャオ監督)
2013-2015年 『小時代 1-4』(グオ・ジンミン監督)
2012年 『恋の紫煙2』(パン・ホーチョン監督)
2012年 『妖魔伝 レザレクション』(ウー・アールシャン監督)
2011年 「宮 パレス~時をかける宮女~」(TV)
2010年 「美人心計~一人の妃と二人の皇帝」(TV)

 1990年4月20日北京生まれ。 2008年、韓国での留学中にSMエンタテインメントにスカウトされ、男性音楽グループEXO/EXO-Mのメンバーとしてデビューし、グループのリードボーカルとダンサーを務める。中国に帰国後、俳優としても活動を開始、映画初出演となったレスト・チェン監督の中韓合作映画『20歳よ、もう一度』(15)は、中韓合作映画の興行収入記録を塗り替え、70億円以上の大ヒットとなった。さらに、マット・デイモン主演で、巨匠チャン・イーモウ監督最新作“長城(The Great Wall)”(2016年全米公開予定)にも出演。歌手としても活躍するルハンは世界中の観客に広く影響を与えている新世代のアーティストとして、中国のソーシャルメディア“ウェイボー”で1つの投稿に対する共有とコメントの数のギネス世界記録を持っており、今後さらなる活躍が期待される。

<主な出演作>
2016年 “長城(The Great Wall)”(チャン・イーモウ監督)
    “盗墓笔记(Lost Tomb)”(ダニエル・リー監督)
2015年 『20歳よ、もう一度』(レスト・チェン監督)

 上海戯劇学院卒業。『僕は11歳』のような有名な中国語映画で重要な役を演じたことで知られており、作品では一般市民とその生活を生き生きと演じ、高い評価を受けている。2010年には、テレビ映画“Crazy Rose”の演技でバイハー賞の主演男優賞を獲得。2013年は、『オルドス警察日記』で主役を務め、東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。

<主な出演作>
2014年 『黄金時代』(アン・ホイ監督)
2014年 『薄氷の殺人』(ディアオ・イーナン監督)
2013年 『オルドス警察日記』(ニン・イン監督)
2012年 『僕は11歳』(ワン・シャオシュアイ監督)

 北京電影学院で演技の学士号を取得したリウ・ルイリンは、2011年に芸能界でのキャリアを開始する。2013年にイエ・ジンの「記得少年那首歌(Remember that Song of Youth)」に出演。2014年、テレビドラマ「我愛男閨蜜(Honey Bee Man)」で演じた役が好評を博す。最新作はバイ・バイホーと共演した「滚蛋吧!肿瘤君(Go Away Mr.Tumor)」で、興行収入95億円以上を超える大ヒット映画となっている。中国で人気上昇中のスターの1人。

<主な出演作>
2015年 「滚蛋吧!肿瘤君(Go Away Mr.Tumor)」(ハン・イエン監督)
2014年 「我愛男閨蜜(Honey Bee Man)」(ワン・チュン監督)

 北京電影学院で演技の学士号を取得し卒業。第14回上海国際映画祭でアジアン・ニュー・タレント・アワードを獲得。2012年には、“Far Away the Eagle”で演じた役で国際エミー賞の主演男優賞にノミネートされた。同年、ロウ・イエ監督の『二重生活』でチン・フォン役を務める。2013年には、ジョン・シャオロン監督のテレビドラマ版『紅いコーリャン』に主演し、中国人俳優として高い評価を受け、その地位を確立した。

<主な出演作>
2016年 「姐妹兄弟」(TV)
2014年 『黄金時代』(アン・ホイ監督)
2012年 『二重生活』(ロウ・イエ監督)
2008年 「孫子兵法」(TV)

STAFF

 韓国の東国大学校で映画を勉強したアン・サンフンは、そこで技術と強いプロ意識を学ぶ。短編映画で批評家の注目を集め、『Pass Over』(2004年)で大韓民国映像大典の優秀賞を含む数々の賞を受賞した。 2003年、正式に映画監督としてのキャリアをスタートし、長編映画『私たちの幸せな時間』を製作、同じ年に韓国のキョンナム地域の地元の伝説を基にした映画『アラン-阿娘-』でも監督を務めた。新進の監督でありながら、脚本や演技、物語の流れのニュアンスを重視し、キャストとスタッフからの厚い信頼と愛情を獲得した。

[映画作品リスト]
2015年 『見えない目撃者』  2015年 『純粋の時代』
2011年 『ブラインド』   2006年 『アラン-阿娘-』
<製 作>

アンディ・ユン
『ブラインド』(11)
『二つの顔の猟奇的な彼女』(07)
「マウミ」(TV)

ジジ・チー

ジャオ・ルオヤオ

<脚 本>

チェ・ミンソク
『世界で一番いとしい君へ』(15)

アンディ・ユン

アン・サンフン

<脚 色>

グー・シャオバイ
『人山人海』(11)
『サンザシの樹の下で』(10)

<編 集>

シン・ミンギョン
『コインロッカーの女』
『レッドカーペット』(15)
『ザ・テノール真実の物語』(14)
『監視者たち』(14)
『10人の泥棒たち』(13)
『ダンサーの純情』(06)

<撮 影>

ソン・ウォンホ
『ブラインド』(11)

<アクション監督>

クォン・スング
『渇き』(09)