2017.09.06 POSTED

第74回ヴェネチア国際映画祭 現地レポート掲載!

第74回ヴェネチア国際映画祭 コンペティション部門に『三度目の殺人』が正式出品されたことを受け、是枝裕和監督、福山雅治さん、役所広司さん、広瀬すずさんが現地入り。更に本作の音楽を手掛けるルドヴィコ・エイナウディ氏も加わり、公式記者会見&フォトコール・レッドカーペット・公式上映に参加いたしました!

涼しく爽やかな風が吹く、美しい水の都イタリア・ヴェネチア。イタリアの有名ブランド、ドルチェ&ガッバーナのスーツ姿で颯爽と登場した福山雅治さん。イタリアを代表するブランド、ジョルジオ・アルマーニのスーツで貫禄の登場の役所広司さん。同じくアルマーニのドレスとプラダの靴で大人っぽい装いの広瀬すずさん。同じくアルマーニのスーツの是枝裕和監督、そしてエイナウディ氏が記者会見会場に登場!会見場は報道陣で大盛況。そんな中、海外媒体の質問に応じました。

「イタリア出身のエイナウディ氏を音楽に起用しようとしたきっかけは?」と問われると、是枝監督は「きっかけは海外の映画祭を回っていた時にたまたま飛行機に乗って聞いた曲が彼の曲で音を聞いていたらすごく風景が浮かんだんです。特に 水、火雪とか。その時は名前が読めなかったのですが、メモして日本に戻ってアルバムを買って、今回は脚本を書きながらずっと彼の曲を聞いていました。なので、サウンドトラックをお願いしたというよりかは、本の段階からこの音楽は絡まっています。すごく映画の中から生まれているような気がします。」と語りました。

また、福山さんは「日本ではロックスターとしても有名な福山さんですが、今回も是枝監督から起用され、是枝作品の常連になりつつあると思います。どういった心構えで今回臨んだのでしょうか?」との質問に、「僕自身、是枝監督・是枝作品のファンなのです。僕も音楽をやっているときはシンガーソングライターというスタイルで、作詞、作曲、演奏、歌をやらせて頂いていますが、監督の映画作りの現場はすごく、手作り感があり原案、脚本、監督、編集をやられていて全ての工程を俳優として参加しながらその現場を一番近くで見られるというのは僕にとってこの上ない贅沢な経験です。贅沢な経験であると同時にすごく刺激を受ける現場です。是枝監督という一人の人間を通して、そして映画製作を通して監督がどういう目線でこの人間社会を、人間を見つめているのかというのを知る機会を与えていただいています。私にとって自分の活動、表現をフィードバックできる現場で、参加させていただくことにいつも感謝しています。」と熱い思いを述べていました!

フォトコールでも、沢山のメディアが集まり、「是枝!」という歓声が上がり、今や世界中で注目を集める是枝監督の最新作であり、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『そして父になる』の福山さん×是枝監督の再タッグである本作への注目度の高さが感じられました。



レッドカーペットに登場した福山雅治さん、役所広司さん、広瀬すずさん、是枝裕和監督と、本作の音楽を担当したイタリア人音楽家ルドヴィコ・エイナウディ氏。キャストと監督を一目見ようと、大勢の観客とマスコミで溢れる中、広瀬さんにイタリア人女性から「カワイイー!」の声もあがるなど観客やメディアからの黄色い声が。大歓声に応え、手を振るほか、カーペット途中ではサインを求められ、心よくそれに応じる姿もみられました。


その後の『三度目の殺人』公式上映では、キャパシティ約1030席が満席となる上映会場にて、是枝裕和監督が描く、緊迫感溢れるサスペンスに息をのむように引きこまれた様子の観客たち。上映終了後には、6分にも及ぶスタンディングオベーションが続き、福山さんらキャスト陣は手を振ってそれに応えていました。また、是枝監督はヴェネチア国際映画祭フェスティバルディレクターであるアルベルト・バルベーラと熱い握手を交わしていました。

アート性の高い作品の受賞が多い特徴を持つヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門では『三度目の殺人』を含む計21本の中から最高賞「金獅子賞」を競い、現地時間9日(日本時間10日)の授賞式で受賞結果が発表されます。 是枝監督作品としては、第52回ヴェネチア国際映画祭にてデビュー作『幻の光』が金のオゼッラ賞を受賞。22年ぶり2度目の受賞に期待が集まります!