2018.06.04 POSTED

公開直前三世代試写会舞台挨拶レポート

<三世代にわたる家族>が登場し、家族の絆について描かれている本作にちなみ、親子や祖父母と孫などの三世代の家族を観客として招待した<三世代>試写会イベントを実施いたしました!
受賞後に主演リリー・フランキー、城桧吏、佐々木みゆのふたりの子役と是枝監督が揃って登場する初めての場になり、
キャスト陣も監督と久々の再会となった本イベント!本作には<三世代にわたる家族>が登場しており、家族の絆について描かれていることから、
15~87歳までの親子や祖父母と孫など三世代の家族が観客として来場。
たくさんの家族に囲まれての舞台挨拶で、とっておきの家族エピソードが飛び出しました。また、子供たちは「早くカンヌのトロフィーが見たいです!」
と監督にメールを送っていたそうで、この日ついに実物とご対面!実物を前にした子供たちは目を輝かせ、興味津々の様子をみせました。
子供たちの無邪気さに思わず笑顔になってしまう、終始温かな雰囲気に包まれたイベントとなりました。

以下詳細レポート▼※敬称略※

■最初の挨拶
リリー:「三世代で同じ劇場で映画をみる機会ってあまりないと思うし、こうやって一緒にみたことは将来ずっと覚えていると思うので、とても良い企画だと思いました」
城くん:「みてくれてありがとうございました!」
みゆちゃん:「来てくれてありがとうございます!よろしく願いします!」
是枝監督:「刺激的なタイトルでショッキングな設定だったけど、三世代の暮らしぶりは今僕らが失ってるものがあって、どこかで共感や懐かしいと思いながらも犯罪だから悪いことだしといったふたつの気持ちでみてほしいと思ってつくった映画です。今日は楽しんでいただけたらと思います」

■カンヌでの反応について
是枝監督:「授賞式の後の映画祭の公式ディナーで、とにかく役者が素晴らしいといろんな方に声をかけていただきました。
『ブレードランナー2049』の監督でもあるドゥニ・ヴィルヌーヴには子役が素晴らしかった!どう撮ったの?そこで僕らは恋に落ちたと言われ、
台湾の俳優のチャンチェンには、家族が縁側で見えない花火を見上げるシーンがとにかく素晴らしかったと言ってくれました。
審査する側と審査される側ではあるんだけど、純粋に映画が好きな者同士で感想をいい合いながら過ごした感じで、
その時間がとてもよかったです。日本での反応は、同級生とかからもおめでとうと連絡をたくさんもらって、少し顔が浮かぶのが難しいと
思うひともいましたけど(笑)嬉しかったです」

■完成した作品を観ての感想
城くん:「自分が映ってることが不思議に思いました。良い作品に出来上がったなって嬉しかったです」
みゆちゃん:なかなか答えが出てこず、その様子をみかねた是枝監督が耳元でささやく形でアシストし「海で遊んだことがすごく楽しくて、オーディションを受けられてよかったと思いました!」と元気よく答え、会場からは笑いと拍手が起こりました。

■受賞後、日々の生活に変化など
リリー:「一人でいるときに、おめでとうと言われると面映ゆい感じで…でもお祝いだから!ってシャンパン開けられて、ただ飲みたいだけじゃねーかってことがあったりもしますけど、周囲の方が喜んでくれるのは純粋に嬉しいですね」
城くん:「学校のひとからおめでとうとかすごいねって言われます。でも、生活に変化はないです」
みゆちゃん:「“佐々木みゆ”ちゃんだよねって声をかけられたり、学校で四年生が急に飛び出してきて、めっちゃかわいいって言われました」
是枝監督:「コンビニのレジの方にもおめでとうって言っていただいて、今後買うものを精査しないといけないなって思ったり…(笑)タクシーの運転手さんにもいっていただいたり、関係者ではない方にそんな風に声を掛けられるのは嬉しいですね」

そして今回、是枝監督が城くんとみゆちゃんの為にパルムドール像を会場に持参!実物を前に、興味津々に近くでまじまじと見たり、触ったり、実際にふたりで像を持ち上げてマスコミへの写真撮影に応じるなどしたふたり。重さ4キロある像は、子供にとっては少々重かったようで「重かったです。今日はこの手を洗いません!」、みゆちゃんは、「腕が痛い…マイクよりも重い」などと漏らし、会場からは笑いが起こりました。

その後は、お客さんからQ&Aに応えました。

【Q&A】

Q,父と母と祖母と娘の四人で来ました。是枝監督に質問ですが、なぜこの映画をつくろうと思ったのですか?
是枝監督:『そして父になる』をつくったときに、家族を繋ぐのは血なのか時間なのか、究極の二者択一を迫って福山雅治さんをいじめるということをしたんですが(笑)そのあと、どういう問いをたてようかと思ったときに、血縁を超えて繋がる家族の可能性を探ってみたくなったんです。結果的にはストレートにはいかず、犯罪や利害関係でつながった家族のはなしにしましたけど、そういった関係性の先には何があるのかという話をつくってみたくて脚本を書きました。

Q,息子と母と祖母の三人で来ました。城くんとみゆちゃんに質問ですが、今後はどういった役を演じてみたいですか?
みゆちゃん:(なかなか言葉が出てこず、是枝監督にアシストしてもらう形で、)この映画の続きをやってみたいです!
城くん:是枝監督さんの映画にもまた出たいし、アクションとかホラー系もやってみたいです!

Q,母と祖母と娘で来ました。城くんとみゆちゃんに質問ですが、撮影をしていて大変だったこと、楽しかったことがあれば教えてください。
城くん:大変だったのが、スーパーでお菓子をリュックに入れる最初のシーンで、なかなかリュックにお菓子が入らなかったことです。楽しかったのは、魚釣りのシーンと海のシーンと大雨の中、家に帰るシーンです!
是枝監督:大雨のシーンは、たまたま夕立が降ってきたので、どう使うかは考えずとりあえず走ろうっていって撮ったシーンなんです。
みゆちゃん:せみの幼虫をお兄ちゃんとったのが楽しかったです!大変なシーンは特にありません。

■最後の挨拶
リリー:「本当に撮影をしているときからすごくいいものが出来上がっていく風景を見ていました。ずっと監督にパルムドールを獲ってもらいたいと思っていたけど、人生で願いが叶うことってそうそうないわけで、だからすごい嬉しかったです。是非劇場でご覧ください」
城くん:「6月8日(金)に劇場でもみてください!」
みゆちゃん:「今日は来てくれてありがとうございました!」
是枝監督:「さっきみゆちゃんが大変なシーンはなかったと言ってくれていたけど、真夏のシーンはほとんど真冬に撮っていて寒くて大変だったはずです。でもふたりが頑張ってくれて、台本も渡していなくて、大人の役者を相手によく受けてくれて、大人の役者も子供たちをうまく包んでくれて、演技ではないとてもよい表情を引き出してくれました。カメラがまわっていないところでも温かな繋がりをつくれて、素敵な時間を過ごせました。僕らが感じたぬくもりがこの映画にも残っていると思うので、そういったものも感じてもらえればと思います」