BRIE LARSON

完璧なレプリカと、南仏の華麗なるコレクターたちの名車の数々

冒頭に出てくるブガッティは、ラルフ・ローレンの博物館に所蔵されている本物から、修復のために使われた実際の鋳型を借りて、レプリカを2台作った。外観は同じだが機能は運転に耐えられるようにエンジンはローバー製を搭載するなど現代仕様に変えた。フェラーリ250GTO は当時のエンジンや多くの本物同様の部品を使ったリクリエーションモデルである。
それ以外はすべて、南仏の個人のコレクターが所蔵している実物を借りた。オーナーたちは、車への情熱からコツコツと頑張った者もいれば、大金持ちで驚愕のコレクションを誇る者もいる。クレンプのガレージにあるフェラーリのうち12台は、なんと45台のフェラーリを所有しているというオーナーから借りた。
兄弟が普段乗っている車はBMWだ。過去の映画でもBMWを使ってきたモレルとの信頼関係から、本作でもM3、6シリーズ、グランクーペなど、多数の車が提供された。BMW愛好者のクラブのメンバーから借りた、貴重な30年代のBMW327も登場する。
日本車は1台だけ、ニッサンのマーチが現れる。今や道路で1番目にするのが日本車なので、目立たないために乗っているという設定だ。
「これほど価値のあるクラシックカーが、次々と登場する映画は初めてだろう」とモレルは胸を張る。クラッシックカーはもはや、4つのタイヤがついた美術品で、投資の対象にもなっている。また、歴史と文明の証言者でもある。「電気自動車が主流になり、車という存在の意味そのものが変わろうとしている今、この映画を作ったのはタイムリーだった。また、作品として残すのは意義のあることだったと思う」と、映画と同じくらい車を愛するモレルは、最後に感慨深そうに語った。