PRODUCTION NOTES
プロダクションノート

劇中を飾る音楽
本編中では、印象的な音楽も数多く使われる。音楽の効果について監督は語る。「音楽は一種の魔法みたいなもの。映画というのは映像で繋いでいくものだけど、会話があり、さらに音楽が加わって変化を遂げる。病院でマドレーヌが隣のベッドの男性と歌う曲は、ジルベール・ベコーの“そして今は”という曲で、とても素晴らしい歌詞なの。2人の入院中の高齢者が繊細な会話をしているシーンにぴったりだと思ったわ。でも音楽の使用にはとても苦戦した。ジルベール・ベコーの奥様が、この映画は悲しすぎると、すぐに承諾してくださらなかったの。でも、必死で交渉し、最終的には奥様も映画を観てくださって、“あなたがこの音楽を使いたいと言ってくれた理由がわかったわ”と納得してもらえたの。ラストに流れる曲はアフリカの子守歌。眠りなさいという優しい穏やかなメロディラインが美しいわ。私にとって死は眠りにつくものだと思っているのでこの曲を選んだの」