「2007年3月にリリースのアルバム「紅盤」に収録する為に〈出会い〉をテーマにした曲の歌詞を書いてほしい」。そもそもの始まりは、伊坂幸太郎に届いた斉藤和義からの思いがけないオファーだった。作詞はもとより恋愛モノの印象も強くない伊坂だが、大ファンである斉藤のために「小説なら」と短編を書き下ろす。それが、主人公となる佐藤と紗季の〈出会い〉を描いた「アイネクライネ」だ。この短編を元に斉藤が「ベリー ベリー ストロング〜アイネクライネ〜」を作ると、この曲のシングルカット時の初回限定盤特典として、再び伊坂が「ライトヘビー」を執筆。斉藤を彷彿とさせるキャラクター「斉藤さん」を登場させた。この2編に新たな4編を加え、伊坂にとって“初”の恋愛小説集となる「アイネクライネナハトムジーク」が出版されると、瞬く間に話題を呼び、累計発行部数54万部(2019年6月現在)を突破。伊坂ファンだけでなく斉藤ファンからも映画化を望む声が上がった。