意表を突いた伏線が複雑に絡みあい、魅力的なキャラクターやエピソードが満載の原作。脚本は『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』など伊坂作品で実績のある鈴木謙一が担当した。脚本作りは「アイネクライネ」で描かれた佐藤と紗季の偶然の〈出会い〉を軸に、佐藤と関わる人々を連作の短編から抽出することからスタート。さらに、佐藤に大きな影響を与え続ける友人・織田一真とその家族に焦点を当て、10年後、高校生に成長した織田家の長女・美緒と同級生のエピソードをピックアップ。〈出会い〉よりも大切なことをテーマに、伊坂原作らしい洒落た会話を織り込み、映画オリジナルとなる佐藤と紗季の10年越しの小さな恋の物語が完成した。脚本には伊坂も「凄くいいんじゃないでしょうか」と快諾。いよいよ本格的にプロジェクトが動き出す。