主役・佐藤のキャスティングは、正統派俳優ながらも佐藤らしいナチュラルな人の良さも感じさせることができる三浦春馬に、監督とプロデューサー陣の意見が合致。相手役となる紗季は映画『君に届け』、TVドラマ「僕のいた時間」で三浦と共演し、『フィッシュストーリー』で伊坂作品とも馴染みが深い、キュートな魅力溢れる多部未華子が選ばれた。佐藤の友人・一真は佐藤とのコントラストが欲しいところ。風変わりなキャラと説得力のある台詞回しが実現できる矢本悠馬は監督の強い希望でもあった。学生役が多い矢本は「大人の役をもらえてうれしい」と癖は強いが憎めない2児の父親役を好演。その妻・由美は「大学時代、誰もが振り返る美人」をコンセプトに打合せが始まると「そう言えば、あの綺麗な人は?」とCMで活躍していた森絵梨佳に話題が集中。まさかの仙台出身でキャスティングに弾みがついた。さらに、大人の魅力を増し活躍の場を広げる貫地谷しほりと、芸人として活躍する一方で俳優としての評価も高い原田泰造の出演が決まると、演技派揃いの豪華なキャスティングの方向性が見えてきた。さらにフレッシュな若手の中でも今最も注目度の高い、恒松祐里、萩原利久の2人が参加。日本人ではまだ実在しないヘビー級世界チャンピオン役には、原作の世界観とリアリティのバランスに細心の注意を払い、オーディションにオーディションを重ね、成田瑛基を抜擢。週4〜5回のペースでジムに通い始めると、その身体はみるみる大きくなっていった。