撮影は2018年4月から3週間に渡り、オール仙台・宮城ロケで行われた。紗季が乗ったバスを佐藤が走って追いかけるシーンや、美緒と和人が高校から駅前の地下駐輪場まで自転車で走るシーンは、仙台に土地勘のある人ならその道筋をありありと思い浮かべることができる。「リアルに忠実に作りたい」。それは今泉監督がこだわり続けたことの1つだ。撮影は、平昌五輪の金メダリスト・仙台出身の羽生結弦選手のパレードと撮影日が重なったり、地下鉄が止まり、撮影場所のペデストリアンデッキにあふれるほどの人が集まってしまったこともあったが、伊坂作品の仙台ロケで信頼関係を築いてきた「せんだい・宮城フィルムコミッション」や地元の人たちの多大なる協力のもと順調に進んだ。特にボクシングシーンは500人規模のエキストラが参加し撮影。「そろそろ伊坂作品への出演オファーが来てもいいのでは?」と首を長くして待っていた(!)仙台出身のサンドウィッチマンがこのシーンのハマり役で特別出演を果たしている。