ドレスデン・フィルハーモニー
管弦楽団の本拠地で撮影

ロケ地は、ベルリン、ニューヨーク、東南アジアにまで及び、撮影場所は、コンサートホールやホテル、レストラン、ターの実家、ターがベルリンで住んでいたアパート、シャロンと娘と生活を共にしているブルータリズム建築の家などがあった。撮影監督のフロリアン・ホーフマイスターは、Arriflexにレンズと、今では全カメラに搭載されているエマルジョンプリントシステムを特注で発注した。
プロダクション・デザインを務めたマルコ・ビットナー・ロッサーの最初の課題は、ヴィンヤード型のコンサートホールを拠点にするドイツのオーケストラを探すことだった。撮影スタッフが占拠するだけでなく、建物全体を思いのままに使わせてくれるホールが必要だったので、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団を説得し、その本拠地であるクルトゥーアパラストの一部を使用させてもらった。さらに、ドレスデン・フィルでコンサートマスターを務めるヴォルフガング・ヘントリッヒが制作に参加し、ニーナ・ホスにコンサートマスターの役割を教え、劇中では彼女と同じ机で仕事をする人物としても出演している。