厳しい肉体改造と プロアスリート並みのトレーニング
グドナソンは、撮影の5カ月前からトレーニングを始めた。テニスは1日2時間、基礎トレーニングは週に4時間行った。「日ごろ運動していない人間にはかなりの量だ。最初はきつかったけれど、だんだん慣れていった。もう限界だと思う時期を超えると、それほどきつくなくなる」とグドナソンは振り返る。役作りに関しては、膨大な資料を集めることから始めた。試合の映像や写真、それに半生が綴られた本もある。グドナソンは、手に入るものは全部集めて研究した。
マッケンローの方は、まずは減量にチャレンジした。ちょうど海兵隊員を演じた映画の撮影が終わった頃で、身体ががっちりしていた。メッツ監督に「落とせるだけ落としてくれ」と言われたラブーフは、ベジタリアンになって、トレーニングに励み、大幅な体重減に成功した。ウィンブルドンで対戦するまでは、全く交流が無かった実際のボルグとマッケンローの距離感を保つために、「トレーニングは別々にやった」とラブーフは説明する。「僕らが一緒に過ごした時間はほとんどない。二つの別々のトレーニング・キャンプを設けた。彼には彼のトレーナーと栄養士が付いていて、僕にも自分のチームがあった。お互いにほとんど話さず、距離を置いていた。でも互いに誠実であり続けたし、敬意を払っていたよ」