役柄として俳優として 互いをリスペクトした二人

ラブーフは、グドナソンについてこう語る。「彼はスウェーデンで一番の役者だと、ヤヌスから聞いた。スカンジナビア一の若手俳優で、すごく将来性のある男だと。それから彼の出演作を観て、ライバル心がメラメラしてきたよ。彼とスカイプで話をしたのはその後だ。撮影の間は、僕は彼をスーパーマンとして捉えていた。撮影がほとんど終わって、ようやく彼は人間になったのさ」 一方のグドナソンはラブーフを、「シャイアと共演できて、とてもいい経験になった。たくさん学ばせてもらったよ。シャイアは全身で役柄に入りこむ。常に真実を追求する。真実を捉えて表現するために、いつも限界に挑んでいるんだ。役に成り切るためなら、どんな努力も厭わない。その姿勢に感銘を受けた。本当に素晴らしい俳優だよ」と絶賛する。
ボルグとマッケンローの関係について、グドナソンはこう分析する。「二人はとても尊敬し合っていたと思う。タイプは違うけれど、似ているところも多い。それに理解し合っていたと思う。引退後、二人はとても仲良くなり、今も懇意にしているそうだ。でも初めて会った時は、互いにそうなるとは思ってもみなかったはずだ 」ラブーフが続ける。「彼らはとてもよく似ている。とんでもない場所のど真ん中に一人取り残されて、誰も自分を理解してくれないという状況も同じだった」
最後にメッツ監督が、締めくくる。「単に二人の男が、テニスをしていたのではない。二つの大陸がぶつかっていた。対峙するのは、振る舞いや気性が完全に正反対の二人だ。本作では、それを美しく描き出している」