INTERVIEW | 映画『エミリア・ペレス』公式サイト
ジャック・オーディアール監督作品『エミリア・ペレス』ゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス出演
カルラ・ソフィア・ガスコン
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⸺あなたにとってエミリア・ペレスとは?
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エミリア・ペレスは、美女と野獣が同じ身体に閉じ込められてしまったような存在だと思っています。映画の冒頭では、彼女はマニタスという男性の名のもと、違和感のある人生を送っています。しかしあるとき、こんな人生とは決別する方法があると気づくんです。「もうたくさんだ」と。マニタスは、「オカマ」より「ワル」であれという環境のもとで育ちました。そのため、彼はこの二つの間で囚われてしまったのです。悪にも、自分本来の姿ではない男らしさにも。
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⸺ゾーイ・サルダナやセレーナ・ゴメスとの共演はいかがでしたか?
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20年前に、ジャック・オーディアールの映画でゾーイ・サルダナやセレーナ・ゴメスと共演するなんて言われても、絶対に信じなかったでしょう!そういう状況で臆さないためには、彼女たちを姉妹のように、そして役柄として捉えることが大事でした。映画の世界に没入しすぎて、私は少しおかしかったかもしれません。現実とフィクションの境界がぼやける時がありました。セレーナと恋人役のエドガー・ラミレスのシーンを見ていると、エミリアとしての嫉妬を実感できました。
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⸺この映画の公開によって、トランスジェンダーの権利のための代弁者となるわけですが、どのように感じていますか?
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まず、トランスやLGBTQI+コミュニティの闘士である以前に、私は自分自身を夢のために闘う者だと思っています。世界中で何千もの役者が、ほとんど空っぽの劇場のステージで必死に演じています。私もたった一人の観客を前に演じた経験があります。それはとても大変な仕事です。だから、何よりも夢を掴むための勇気と熱意、そして強さを伝えたいと思っています。
トランスジェンダーについては、否定されたり、一緒くたに決めつけられたり、笑いものにされたり、侮辱や憎悪を向けられることがなくなってほしいと願っています。私はある意味ラッキーでした。妻や家族のおかげで、自分の生活を続けながら性別移行ができたからです。しかし、職を失って生きるすべが売春しかないトランス女性もいます。誰もが陽の当たる場所で、そして何より普通に暮らせるようになることを願っています。