Comment

ろう者や障がい者の真の姿をスクリーンで見ることは、
私にとってとても大切なことです。
この物語の描く真実やろう者の俳優たちの演技、そして手話を使ったインスピレーションあふれる振り付けに感動しました。フーリアが別のコミュニケーション方法を見つけることは、“表現の自由”を見事に表しています。手話の美しさと価値をよりよく理解するために、世界中が見るべき映画です。

私は『裸足になって』の一員であることを大変誇りに思いますし、この珠玉の映画をぜひ皆さんに体験していただきたいと思っています。
製作総指揮 トロイ・コッツァ―
『コーダ あいのうた』アカデミー助演男優賞

Introduction

ある日突然、踊ることも声を出すことも奪われてしまったバレエダンサー・フーリア。これまでの自分が壊され、生きる意味を見失ったとき、“踊ること”が新たな声となり、彼女を明日へ連れてゆく。

潮風と砂埃を閉じ込めたような美しい映像のなかで、大地を踏みしめ、夕陽を抱く彼女のダンスは、言語の壁を超えた肉体表現として、どんな台詞よりも雄弁に私たちにその想いを訴えかける。抑圧された社会の中で、手を取り合う女性たちの関わり合いを通じて、人間の深い慈愛と湧き溢れる生命力を瑞々しく描き出し、手話とダンスで表現することの自由と美しさを力強く訴えかける。

本作を手掛けたのは第72回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された『パピチャ 未来へのランウェイ』のムニア・メドゥール監督。製作総指揮は『コーダ あいのうた』でろう者の俳優として初めてのアカデミー助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーが務める。主人公フーリアを体当たりで演じたのは、アルジェリア出身の期待の新星リナ・クードリ。

初夏の心地よさを想起させるような極上の一本が、きっとあなたの五感と心を解放する。

Story

北アフリカのイスラム国家、アルジェリア。
内戦の傷が癒えきらぬ不安定な社会の中でバレエダンサーになることを夢見るフーリアは、貧しくもささやかな生活を送っていた。しかしある夜、男に階段から突き落とされ大怪我を負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。すべてを失い、死んだも同然の抜け殻となったフーリア。
そんな失意の中、彼女がリハビリ施設で出会ったのは、それぞれ心に傷を抱えたろう者の女性たちだった。「あなたダンサーなのね。わたしたちにダンスを教えて」その一言から始まったダンス教室で、また再び“生きる”情熱を取り戻していく―。

Profile

ムニア・メドゥール
Réalisatrice
Mounia Meddour
1978年5月15日生まれ。
ドキュメンタリー制作でキャリアをスタート。その後、短編『エドウィジュ』は数々の国際映画祭で選出され、多くの賞を受賞。2019年の初長編監督作『パピチャ 未来へのランウェイ』は、優秀シナリオ・ソパーディン 賞を取得し、カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」に選出され、アカデミー国際長編映画賞のアルジェリア代表に選出、セザール賞の新人作品賞を受賞。2020年から2021年の間、CNC7(国立映画映像センター) の講義委員を務め、現在は徴収推進委員を務めている。ロズリーヌ・バシュロ文化大臣8から、芸術文化勲章・シュヴァリエを授与されている。
2011年 『Cinema Algérien un Nouveau Souffle(原題)』
(ドキュメンタリー)
2015年 『エドウィジュ』(短編)
2019年 『パピチャ 未来へのランウェイ』
リナ・クードリ
Houria
Lyna Khoudri
1992年10月3日生まれ。
ソフィア・ジャマ監督の『Les Bienheureux (原題)』でヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ女優賞受賞を受賞し、2018年セザール賞では有望若手女優賞にノミネート。2019年『パピチャ 未来へのランウェイ』ではセザール賞有望若手女優賞を獲得した。『パピチャ 未来へのランウェイ』、『裸足になって』に続き、2023年もムニア・メドゥール監督作品への参加が決まっている。
2016年『ポリーナ、私を踊る』
2019年『ラスト・コマンドー』『スペシャルズ!~政府がつぶそうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』『パピチャ 未来へのランウェイ』
2020年『GAGARINE/ガガーリン』
2021年『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』『オートクチュール』
Sabrina
Rachida Brakni
Halima
Nadia Kaci
Sonia
Hilda Amira Douaouda

Cast

Staff