片岡鶴太郎

片岡鶴太郎[佐瀬健三]

1954年12月21日生まれ、東京都出身。高校卒業後、片岡鶴八師匠に弟子入り。3年後には声帯模写で独り立ちし、東宝名人会、浅草演芸場に出演する。その後、テレビのバラエティ番組で人気を博し、1988年にはボクシングのライセンスを取得した。『異人たちとの夏』(89)で第12回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞。2015年には書の芥川賞と言われる「第十回手島右卿賞」を受賞した。

COMMENT

原作が沢木耕太郎さんで「一瞬の夏」など沢木さん自身もボクシングが好きな作家さんでボクシングを通して描く視点や人物像の背景などが原作の中にきっちりと織り込まれているので脚本を読む前から期待をしておりました。ボクシングものだと、ストーリー的に平坦な作品になりがちですが今回の作品はこれからチャンピオンを目指す選手と一時代を終えた中年の男、仁一。その仁一を中心としたサセケン(佐瀬健三)や次郎という三人の仲間が入り組んでストーリーを面白くしていると思います。
私が演じるのはボクシングに青春をかけた男でリタイアしたあと、ボクシング以上に魂を燃やすことができずどこか、人生に投げやりになっていたところ翔吾に出会い、仁一に再会しボクシングという自分の青春にまたもう一度魂を燃え滾るという男の役です。私自身もプロライセンスを取りボクシングにのめり込みました。サセケン(佐瀬健三)の気持ちも分かりますし自分自身の年齢とも重なるところがあり、この良きタイミングでこの役に出会えてよかったです。しばらくボクシングトレーニングをしていませんでしたが、この機会にジムに通いトレーニングをしボクサーとしての身体をつくり撮影に臨みたいと思います。