映画(および原作)からワトスンの“正典”へのオマージュ
- 緋色の研究』や『バスカヴィル家の犬』などの本が登場
- 「ありえないものをひとつひとつ消していけば、残ったものが、どんなにありそうもないことでも、真実だ」というホームズのせりふ(『四つの署名』ほか多数に登場)
- 香水の匂いを嗅ぎ分けることができるという、ホームズの能力(『バスカヴィル家の犬』でホームズが語っている)
- 短編「最後の挨拶」で、久しぶりに会ったホームズに対して、ワトスンが言う台詞「だけど、きみは隠退したんじゃなかったのか、ホームズ。サウスダウンズの小さな農園で、蜂と書物に囲まれて隠遁生活をしているって噂を聞いたよ」。それに対するホームズの答えは、以下のようなものであった。「そのとおりさ、ワトスン。ほら、これこそ、ぼくの晴耕雨読の成果、晩年の傑作というやつだ!」……「『実用養峰便覧──女王蜂の分封に関する若干の見解』。ひとりで書きあげたんだよ。夜は考えにふけり、昼はというと、かつてロンドンの犯罪世界を観察していたように、せっせと働く小さな蜂どもを観察して労働にいそしんだ、その成果を見てくれ」この会話から、養蜂と執筆はホームズの引退後の趣味と言える。