12歳のオーティス役を演じるのは『ワンダー 君は太陽』、『クワイエット・プレイス』で注目を集め、『フォード vs フェラーリ』ではアカデミー賞俳優に劣らぬ存在感を示した、今もっとも勢いをつけるノア・ジュプ。この子役と会ってみるようにハレルに勧めたのは、2018年のS F長編映画『タイタン』でジュプと一緒に仕事をした、プロデューサー、ブライアン・カヴァナー＝ジョーンズであった。「ノアは、衝撃的なほどの才能がある俳優なんだ。僕たちは役にぴったりな俳優を探していて、彼はその役を手にするために一生懸命頑張ったんだよ。見事な演技を見せてくれた」と語る。
共演者たちの何人かはジュプのことを、「舞台現場で最も成熟した人物」と呼ぶ。そんな子役俳優としてのジュプはラブーフの体験とはかなり異なっている。彼の両親も俳優で、両親はいつも撮影現場に同行した。そして休憩時間のジュプは、リラックスする間もなく、家庭教師とともに、学業に取り組んでいたのだ。
もう１人のプロデューサー、アニタ・ゴウはこう語る。「ノアは心が成熟していて、年齢よりもはるかに賢いの。彼は、物語の複雑なところや自分の役柄をちゃんと理解していた。彼とシャイアは、びっくりするほど最初からぴったりと息が合っていたのよ」。
一方、ラブーフは、ジュプのプロ意識とアドリブは、これまで共演した大人の俳優に劣らないと言う。「彼は、12ページぶっ続けでやる備えとテクニックを持っていたんだ。それに撮影が終わっても僕に付き合ってくれた。すごくたくさん時間を過ごせたよ」。