小説には、自分たちは白鳥座61番星から来たと目覚めた仙台在住の3人の敵(もともと社会や女性に対する歪んだコンプレックスを抱えている)が出てくるが、映画には登場しない。(ちなみに、暁子をミスコンに誘う広告研究会の大学生の名前が栗田である)。3人が重一郎の自宅応接間に乗り込んで来て繰り広げる“破滅に自ら向かう人類を救うべきなのか、早々に絶滅させたほうがいいのか”という大討論は、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の「大審問官」と並び称される原作屈指の名場面。映画でそれは、テレビ局での謝罪番組収録中の大討論シーンに置き換えられている。