監督がマーカス・トーマスに
あて書きしたガーディ役

マイクの弟のガーティは、イラク帰りの退役軍人で、狙撃手に頭を撃たれたという設定だ。外科医が危険過ぎるという理由で銃弾を摘出しなかった結果、失語症になってしまった。彼の言うことは、マイクにしか理解できない。ガーティは腕のいいメカニックだが、人に指図されるのが大嫌いで、マイクともよく衝突する。
『キル・ザ・ギャング 36回の爆破でも死ななかった男』でマーカス・トーマスとタッグを組んだヘンズリーは、失語症を患っているという設定に決まった時から、ガーティ役をマーカスにあて書きした。身体的な表現が得意なマーカスなら、やり遂げてくれると信じたのだ。
トーマスはオファーを受けた理由を、こう説明する。「ガーティ役は大きな挑戦で、すごく怖かった。意味不明なことを話しながら、同時に兄への愛情や葛藤を表現しなければならないからね。でも、この兄弟がなんとか生き残らなければいけないという設定に、強く惹きつけられた」
役作りとして、ヘンズリーと一緒にウェルニッケ失語を患っている人たちに会いに行ったトーマスは、「失語症と戦っている人たちは、200万人いると言われている。彼らが毎日の生活にどう対処しているかを知ることは非常に重要だったし、貴重な体験だった」と語る。