驚異の身体能力と
キャストのプロ意識

役者に高所でのアクションが要求された本作。レッドメインは語る。「まず知ってほしいのは、ジェームズよりアメリアがずっと多くの肉体的に激しい動きをすることだ。本作でフェリシティが見せる肉体的能力は素晴らしいものだった。彼女の身体能力を見たら僕は恥ずかしいくらいだよ」
ジョーンズは、何週間もスタントのリハーサルをしてプロの空中曲芸師と訓練をしてから、空での演技に備えた。高さ600メートルの気球で、ジョーンズはロープを実際によじのぼって、バスケットから出て気球に登った。
プロデューサーのリーバーマンは畏敬の念を持って振り返る。「フェリシティは、今まで仕事をした中でも最もタフな人だ。彼女はアクションスターで、疑う余地なく怖いもの知らずだ」
監督のハーパーにとって、役柄を演じながら同時に難しいスタントをやり遂げるジョーンズの能力は驚きだった。「フェリシティがスタントに耐えながら、同時にアメリア・レンの優美さや繊細さを保ち続けた強さとスタミナは、見ていて本当に素晴らしかった」
レッドメインとハーパーは、リアリティのためだけではなく、グレーシャーが高所で感じたことを理解するために、低酸素訓練を受けた。高空で酸素が乏しくなった脳の感覚をシミュレーションした。また、気球が凍るような寒さに直面したシーンの間、撮影所の中で気球の周りに冷却ボックスが作られて、撮影中に役者の息が見えるようにした。さらに、役者はテイクの合い間、氷の中に手を浸していたので、スクリーン上での役者の震えや青い唇は本物だ。「俳優たちの役への献身は、驚くべきものだった」と、リーバーマンは感心した。