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人気作品だからこそ、原作の核の部分は大切にしなければならない。白石監督は原作を、「必殺シリーズと同じように、『きれいごとでは片付けられない、晴らせぬ怨み』を、フィクションの世界の中で晴らすことを主題として描き、怨みを晴らした先には爽快さはなく、苦味が残るものにしたかった。実写映画として成立する、依頼主の“葛藤”=無常観をどう出すか、また、死や地獄の説得力ある恐怖をどう描くかをかなり考えました」と振り返る。
脚本は、原作を基にしたものではなく、白石監督のオリジナルだ。監督と平田プロデューサーで、何稿も重ねて練り上げられた。「そもそも1エピソードでは劇場版としては足りないので、複数のエピソードを入れ、さらにそれを不自然でないようにに繋げるのが難しかったです。また、“閻魔あい+三藁”が活躍し過ぎると、爽快感が強まってしまう。あくまでも怖くなければならないと、怖さにこだわるのが、一番悩んだところです」と平田プロデューサーが説明する。
また、その怖さについて、平田プロデューサーは「都市伝説的入り口から始まりますが、今回は“オバケ”が出るのではなく、怖さはむしろ“生きている人”の心に住まう怖さ、契約の代償として、その先に口を開けて待っている因果応報、人を呪うという地獄の怖さなので、そこをちゃんと怖くしなければと推敲を重ねました」と解説する。