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- 2023.05.29第76回カンヌ国際映画祭 脚本賞(坂元裕二)受賞!
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第76回カンヌ国際映画祭にて、現地時間5月27日(土)20時半(日本時間/28日(日)未明)より開催された
授賞式におきまして、『怪物』が脚本賞を受賞!!
脚本を手掛けた坂元裕二の代わりに檀上に上がった是枝監督は
「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します。僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました。一緒に脚本を開発した川村さん、山田さん、作品に関わっていただいたスタッフ、キャストの皆さん、みんなの力でこの賞を頂けたと思っております。ありがとうございました」とスピーチ。
授賞式後には、坂元から「夢かと思いました。この脚本はたった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜びの声が寄せられた。
カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年振り、是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。
脚本賞受賞に先だって、本作は独立部門「クィア・パルム賞」でも受賞を果たしている。
- 2023.05.24坂元裕二が紡いだセリフを完全収録! 映画『怪物』の“決定稿”を掲載したシナリオブックが公開日より発売!
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今回発売となるシナリオブックでは、本作の“決定稿”を完全収録。
台本は撮影現場での演出や編集により一部変更となるが、
完成した映画からはこぼれ落ちた会話も盛り込まれている「決定稿」は、いわば『怪物』のルーツと言える。
映画公開日6月2日(金)より、全国の書店やAmazonなどのほか、TOHOシネマズ全上映劇場を含む82館の映画館(※5月24日現在)にて、ご購入いただけます。
映画を観た興奮と共に持ち帰り、坂元裕二脚本の妙ともいえるセリフまわし、心を掴まれる登場人物の描写などを映画鑑賞後に振り返ってみてください。書籍名:怪物
著者:坂元裕二
発売日:2023年6月2日(金)
定価:¥1,600(税込¥1,760)
仕様:B6(128×182mm)/176P
発行:株式会社ムービーウォーカー
発売:株式会社KADOKAWAお近くの書店や劇場での取り扱いがない場合は、以下でもお買い求めいただけます。
・Amazon https://www.amazon.co.jp/
dp/4040006585/
・カドカワストア https://store.kadokawa.co.jp/shop/
g/g302302005760/
・MOVIE WALKER STORE https://goods.moviewalker.jp/
- 2023.05.24初日舞台挨拶決定!
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この度、6月2日(金)に公開初日を記念して舞台挨拶を実施する運びとなりました。
是非、ご参加下さい。
- 2023.05.22第76回 カンヌ国際映画祭 コンペティション部門正式出品 公式上映実施のご報告
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フランス時間5月17日(水)に、カンヌ国際映画祭で『怪物』のワールドプレミアとなる公式上映が行われた。
日本からは、是枝裕和監督に、脚本を手掛けた坂元裕二、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太がカンヌの地に降り立ち、華々しくレッドカーペットに登場!熱狂的なファンの歓声に迎え入れられた。是枝監督は、サインや写真撮影にも応じるなど、ファンサービスもたっぷり。全員が一列に並び、時に手を繋いだり、談笑しながら、和やかな雰囲気で各国メディアの撮影にも応じつつ、レッドカーペットを進んで、上映会場となるGRAND THÉÂTRE LUMIÈREへと入った。
会場では拍手で迎え入れられ、客席に向かっておじぎをしたのち、着席し上映開始。
エンドロールが始まると、会場からは再び拍手が沸き起こり、坂本龍一さんへの追悼文が流れた際には、さらに割れんばかりの大きな拍手や歓声に会場が包まれた。そのままスタンディングオベーションは9分半に渡って続き、監督や坂元、安藤、永山らは感激しながら手を振り、会場を見渡しながら笑顔で称賛にこたえ、喜びを分かち合った。
カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された計21作品の中から、最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞が発表となるのは、フランス時間の5月27日(土)の授賞式を予定。
引き続き、ご注目下さい。
- 2023.05.11完成披露試写会イベント実施のご報告
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本作の完成披露試写会が、5月8日(月)TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、中村獅童、脚本家の坂元裕二、そして是枝裕和監督が参加しました。
チーム『怪物』が久々に勢ぞろいしての舞台挨拶に、安藤は冒頭から「(MCからの呼び込みの)『怪物の仲間たちに~』という言葉でグッときて、2人(黒川・柊木)をみたら泣きそうになりました」とコメント。今回、脚本家の坂元裕二と初タッグを組んだ是枝は「以前から脚本を自分で書かないのであれば坂元さんにお願いをしたいと思っていて、ラブコールを送っていました。そして川村元気プロデューサーからプロットを開発しているとの話を聞いて、内容を読む前から引き受けることを決めていました」と念願の組み合わせだったことを告白。その坂元は「是枝監督は尊敬する脚本家でもあるので、そんな方に自分が書いていいのかと…受け入れてくれたことに正直驚きました」とコメントした。
そんな坂元と是枝について、坂元作品には欠かせない存在で、是枝作品には初出演となった永山は「坂元さんとは、二十代の前半からいろいろお付き合いさせてもらい、数々の素晴らしい脚本を書いてもらいました。僕が俳優を続けている限り、一生お付き合いしたいと思っています。是枝さんは、僕が俳優をはじめてから、自分なりにこの人が日本映画を変えていくのだろうと感じて、全作品を拝見してきました。そのお二人の座組に自分が入れたことを幸せに感じています」と出演にあたっての喜びをコメント。一方で安藤はオファーを受けて「ものすごく嬉しい反面、監督の現場にすぐ戻ること、坂元さんの脚本であることは、私にはものすごく敷居が高いように思えて、かなり長いこと怖じ気づいてなかなか覚悟を決められませんでした。でも、現場に参加して、完成した作品をスクリーンで観た時に、その時の自分を”一発殴りたい”気持ちになりました。自分の想像をはるかに超える作品に参加できたこと本当に嬉しく思っています。本作に参加した一員というよりは、作品を観た一人として、本作に感動して涙が止まりませんでした」とコメントした。
オーディションで抜擢された黒川と柊木について、是枝は「黒川君は横顔のラインがいい。柊木君は会った瞬間に“この子だな”と思った」と起用理由を明かし、坂元も「お二人とも素晴らしいお芝居をされていて役に合っている。この物語は僕自身の子供の頃の体験を基にしていて、柊木君は転校していった僕の友達にとても似ている」と自らの体験を投影したエピソードを明かした。
撮影中のエピソードについてお芝居に悩んだりすることはなかったかという質問に、黒川は「カットがかかっても、なかなか湊くんから自分自身に戻ることができなくて、苦しくなったり、悲しくなったりすることがありました。でも、とても楽しかったです」と語り、柊木は「(お芝居に悩むことは)特に悩むことはなかったです」とコメントし、「撮影期間中に安藤さんや黒川くんたちと花火を見に行って、すごくキレイで楽しかったです」と思い出を語った。
是枝作品への参加が念願だった高畑は「撮影前からワクワクしてインするのが楽しみだったけれど、私の初日が他の皆さんのクランクインとも被ってしまって、急に緊張。永山さんとも初めてだったので緊張感マックスでした。でも是枝さんが温かみを持ってくださっている気がして、じんわり温かい気持ちであっという間に終わってしまいました」と語り、是枝監督ファンだいう中村は過去 「“いつか僕を使ってください!”と言いに行った」と監督に直談判していたことを明かし「それからかなり時間が経ったけど、2020年のコロナ禍の時に家族に“死ぬまでには是枝監督の作品に出られたらいいな”と話していた数か月後にこのお話を頂いた。想いは叶うんだなと思った」と出演への喜びを噛みしめていた。
さらに、本作の音楽を坂本龍一が手掛けたことについて是枝は「撮影場所が諏訪に決まって風景が明解になったときに、夜の湖に坂本さんのピアノが響けば良いなと思った。撮影中も編集しながら坂本さんの既存の楽曲を映像に仮で当てていて、撮影後に仮当てした作品と共に手紙を書いて坂本さんにオファーしました」と経緯を説明。坂本からは「全部を引き受ける体力は残っていないけれど、音楽のイメージが何曲か湧いたので形にしてみます。気に入ったら使ってください」との返信があったという。「坂本さんが亡くなられたのは本当に残念だけれど、最後にこのような形でご一緒できたのは自分にとっても誇り。この作品に坂本さんの音楽は必要だったと誰よりも自分が感じています」と感慨深げに語った上で「色々と特別なものが映った映画になったと思います。スタッフが完成試写を観てすべての人がいい仕事をしていると言ってくれたのが嬉しかった。いいチームで本当に素晴らしい映画が完成したと確信しています」と自信を持って『怪物』を送り出した。関連リンク
https://www.toho.co.jp/movie/news/kaibutsu-movie_20230508
- 2023.04.13第76回カンヌ国際映画祭【コンペティション部門】 正式出品決定!
本予告も解禁!! -
この度、『怪物』がフランス時間5月16日(火)~27日(土)開催予定の
第76回カンヌ国際映画祭の【コンペティション部門】に見事選出され、正式出品が決定致しました。出品決定にあたり、是枝監督、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太よりコメントが届いています。
さらに、ここで本予告映像も解禁となりました!是非、こちらもチェックしてください。▼是枝裕和監督 コメント▼
是枝は韓国映画ではありますが昨年も参加していて流石に2年続けてはハードルが高いですよとスタッフには話していました。にもかかわらず、公開日が映画祭直後に決定してしまったので少々焦りました。ですから、コンペに決まったと連絡を頂いた時には嬉しいというよりはホッとしたという気持ちのほうが強かったです。映画はスタッフとキャストの一期一会の短い出会いと別れの間に生命を授かります。その産声を初めて観客の皆さんに聴いていただく場所としてカンヌ映画祭は、やはり、最高の舞台だと思っています。またあの場所に連れて行ってくれる『怪物』と、その関係者の皆様に心から感謝します。今回は残念ながら参加が叶わないスタッフ、キャストの皆さんの思いも、出来るだけ沢山胸に抱いてあの特別な場所を一緒に歩きたいと思います。▼安藤サクラ コメント▼
是枝監督カンヌ国際映画祭出品おめでとうございます。こんなにも早くあの場所に戻れるとは思ってもいませんでした。また是枝組の一員としてみなさんと映画祭に参加できること、とてもとても嬉しいです。カンヌは幼い頃から憧れていた遠い遠い遠い憧れの地。なので今はまだ気持ちがふわふわしていて、少しお腹が痛いくらいです。でも、行けるとなれば目一杯楽しみます!いってきます!!▼永山瑛太 コメント▼
是枝監督、坂元裕二さん、坂本龍一さん、素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんの座組に、私が携われた事、改めて幸せを噛み締めてます。感謝と希望を忘れず、日々、役者として邁進していきたいと思います。▼黒川想矢 コメント▼
僕は最初、どんな演技をしようとか、上手に演じたい!とか自分の事ばかり考えていました。是枝監督の演出からは、どうやって芝居をするのかではなく、ただ湊として動けばいいということが感じ取られ、腑に落ちた気がしました。また、僕が表現に悩んでいる時に瑛太さんから「俳優は監督の脳みそにあるものを表現するもの」というアドバイスをいただき、俳優としての心構えが一変しました。途中、湊が抜けない…というような感覚になり苦しい時もありましたが、現場の皆さんが温かく包み込んでくださって、なんとか撮影を乗り越える事ができました。是枝監督とみんなで作り上げた作品を、カンヌ国際映画祭で世界中の方々に観てもらえることが、とても楽しみです。▼柊木陽太 コメント▼
僕が初めて出演した映画「怪物」がカンヌ国際映画祭にノミネートされて、とても嬉しいです。撮影はとても楽しかったです。大変なこともありましたが皆さんのおかげで最後までやり切ることができました。そして、素晴らしい共演者のみなさんや、スタッフさん、そしてこの作品に関わらさせていただいたことにとても感謝しています。初めて海外に行くのですが、是枝監督や共演者のみなさんと一緒に行くのが本当に楽しみです!そして世界中の人に作品を観てもらえると思うと今からワクワクしています。
- 2023.04.07THEATERページを立ち上げました。
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『怪物』の公開劇場はこちらをご覧ください。
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/
kaibutsu-movie.html#region2公開は6月2日(金)からとなります。
- 2023.04.04坂本龍一が音楽を担当した『怪物』のサウンドトラックが5月31日(水)に発売決定!
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坂本龍一が音楽を担当した映画『怪物』のサウンドトラックの発売が5月31日(水)に決定し、ジャケットアートワークが公開されました。
是枝監督からのオファーで坂本龍一が音楽を担当することになった本作。
今年発売された坂本龍一の6年ぶりのオリジナルアルバム『12』から「20220207」、「20220302」のほか既存曲と、映画への書き下ろし2曲が収録されている。サウンドトラック『怪物』
‘MONSTER’ directed by Kore-eda Hirokazu MOTION PICTURE SOUNDTRACK
アーティスト:坂本龍一
発売日:2023年5月31日(水)書き下ろし2曲を含む全7曲収録。
アナログ盤 / CD ブックレット:是枝裕和監督コメント掲載<発売形態>
アナログ盤 / CD
DL ※バンドル配信のみ
サブスク ※Aquaは除く6曲で配信<収録曲>
1. 20220207
2. Monster 1
3. hwit
4. Monster 2
5. 20220302
6. hibari
7. Aqua
- 2023.04.03映画公開に先駆けて『怪物』ノベライズ発売決定!
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〝怪物〟とは一体だれなのか。その正体とは……!?
日本を代表するストーリーテラー・坂元裕二(脚本/『花束みたいな恋をした』)と映像作家・是枝裕和(監督/『万引き家族』)が初めてタッグを組んで描いた圧巻の人間ドラマ。
6月2日(金)の劇場公開に先駆けて、完全ノベライズが登場!坂元×是枝の“物語”を存分に小説で味わうことができる一冊です。
さらに、初回限定発売の『特装版 怪物 NFTデジタル特典付き』も登場!こちらは小説に加えて、是枝監督の画コンテ1点をデジタル特典で味わえるとともに、映画の世界観がうかがえる風景写真で構成された、デジタルミニ写真集がセットで付いています。
全3セットから1セットがランダム封入された特別限定版です。
全国書店等で予約受付中!
宝島社文庫 怪物
定 価:770円(税込)
発売日:2023年4月24日(月)※一部地域により異なる場合がございます
著者名: 脚本 坂元裕二 監督 是枝裕和 著 佐野晶
出版社:宝島社宝島社文庫 特装版 怪物 NFTデジタル特典付き
定 価:1,375円(税込)
発売日:2023年4月24日(月)※一部地域により異なる場合がございます
著者名: 脚本 坂元裕二 監督 是枝裕和 著 佐野晶
出版社:宝島社<デジタル特典内容>
是枝監督の画コンテ1点と、
映画の世界観が伺える風景写真で構成されたデジタルミニ写真集
(それぞれ3種のうち、1種ずつをランダムで封入)※「怪物」の結末は映画公開まで〝秘匿″でお願いします。
- 2023.03.31ポスター新ビジュアル解禁!
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泥だらけの2人の少年と3人の大人たちがこちらに送るまっすぐな視線と
『怪物』というタイトルの間に記された「だーれだ」というコピー。
いったい「怪物」とは誰なのか?
意味深で謎がますます深まるこちらのビジュアルを使用したポスターは、
3月31日(金)より全国の映画館(※一部を除く)にて順次掲出予定です。
- 2023.01.05
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本作の音楽が、坂本龍一に決定!
さらに、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、
高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子ほか
超豪華実力派キャストの出演情報も解禁!!
是枝監督からのコメントも到着しています。音楽:坂本龍一
〈坂本さん Comment〉
「怪物」
怪物と言われると誰が怪物なんだと探し回ってしまうんだが、それはうまくいかない。誰が怪物かというのはとても難しい問いで、その難しい問いをこの映画は投げかけている。さて、その難解なテーマの映画にどんな音楽をつければいいのだろう。救いは子供たちの生の気持ち。それに導かれて指がピアノの上を動いた。正解はない。
今回残念ながらスコア全体をお引き受けする体力はなかった。監督からのたってのご所望でピアノ曲2曲を提出した。新しいアルバム「12」からの曲や、古い曲を使って全体を構成してくださった。〈是枝監督 Comment〉
長年の念願が叶ってようやくコラボレーションが実現しました。撮影中も編集中もホテルの部屋で坂本さんの音楽をかけながら作業をしていたので正直お引き受け頂けなかったら途方に暮れていたと思います。歓喜、しています。
出演:安藤サクラ 永山瑛太 黒川想矢 柊木陽太
高畑充希 角田晃広 中村獅童
田中裕子〈是枝監督 Comment〉
安藤サクラさん、永山瑛太さん、田中裕子さん、こんなキャスティングが実現したらいいですね、と坂元裕二さんとワクワクしながらお話した通りのキャストが出演してくれました。身震いしました。
安藤サクラさんは『万引き家族』に続きまして、2作目のお付き合いでしたが、前回とはまた全く違う凄みのある役を見事に体現していただきました。
永山瑛太さんは初めての出演でしたが坂元裕二さんが瑛太さんに当て書きした役でもあり、もう彼以外ではあり得ない妙な、しかし、愛すべき人物に仕上がっております。
田中裕子さんは、実は学生の頃に一度だけお会いしたことがあり、映画はもちろんですが、久世光彦さんと組まれたドラマの大ファンだったのでプレッシャーでしたが、至福の時間でした。怪物でした。
主役の2人の男の子はオーディションを重ねて選ばせて頂きました。黒川さん、柊木さん、ふたりとも抜群でした。顔立ちも個性も全く違うのですが、撮影中見事な化学変化を作品にもたらしてくれたと思います。将来が楽しみです。
高畑さん、獅童さんは以前ご挨拶をさせていただいてまして、いつか、とお約束していたのでこの作品で実現して良かったです。
角田さんは、元々ファンでしたが「大豆田」でお芝居を拝見して、更にファンになり、お願いしました。登場しただけでちょっと微笑んでしまうんですが、素晴らしい存在感でした。
- 2022.11.18
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監督・編集:是枝裕和
基本的には自分の映画は自分で脚本を書いて来ましたが、誰か脚本家と組むなら誰が?という質問には必ず
「坂元裕二!」と即答してきました。それは、そんなことは自分のキャリアには起こらないだろうとどこかで諦めていたからです、きっと。夢が叶ってしまいました。こんなことを言うと坂元裕二ファンには怒られるかも知れませんが、加害者遺族、赤ちゃんポスト、子供達の冒険旅行、疑似家族と、同じモチーフに関心を持たれている方だなと親近感を抱いておりました。もちろん作品になるタイミングは前後していますし、扱い方は全く違うのですが、それでも彼と自分は同じ時代を生き同じ空気を吸って吐いているんだと感じていました。そして、何より、その題材をとてつもなく面白いものに着地させる手腕には、羨望と畏敬の念と両方を抱いておりました。今回は、縁あって共同作業が実現してしまいました。監督としてこの素晴らしい脚本とちゃんと勝負しなくてはいけないと、ファンであることは隠したつもりだったのですが、恥ずかしながら、バレバレだったと思います。
まだタイトル以外は明かせませんが、誰よりもこの作品の完成が待ち遠しいです。
脚本:坂元裕二
是枝作品の脚本を是枝さん以外の者が書くと聞くと、観客の方はどのように思われるのでしょう。わたしは、「え、そんなことはありえるの? 無理に決まってるでしょ」派です。是枝監督は世界一の脚本家でもありますから。しかも撮影現場で俳優やスタッフと対話しながら脚本を作っていくタイプの監督です。そんな仕事を引き受けた脚本家がいたら、身の程知らずだなと苦笑いするはずです。まったくもって愚か者ですね。
是枝さんは学年もクラスも違っていて話したこともないけど、時々廊下で目が合ったり、持ってるものを見て真似して手に入れたくなる、憧れの存在のような人でした。あんな人になりたかったな、なれなかったな。いいな、羨ましいな。そんな嫉妬めいた思いの対象だった是枝さんが、『海よりもまだ深く』という映画の作中やインタビューで「こんな自分になりたいわけじゃなかった」と語られていて、驚きました。是枝さんの秘密をちょっと知ったような気になりました。誰だって多かれ少なかれ自分に納得いかなくて、こんなつもりじゃなかったと思いながら生きていて、どこかで折り合いをつけようとするけど、良いこともあれば悪いこともある。自分のことがあまり好きじゃなかったりする。廊下の向こうにいる是枝さんのことを見かけるたびに、「僕もそうなんだよね」と心の中で勝手に話しかけてみたりする、そんな存在に変わって、この映画もそんな風にして作っていきました。自分を好きになれない誰かへのエールになるといいなと思っています。