5歳で迷子になり、25年後、Google Earthでの「地図の旅」を通して生まれた場所に 立ち戻るという、まさに映画のように数奇な人生を歩むサルー・ブライアリー。 サルー自身も大人になって初めて知った、自分が辿った人生の道筋とは―。

ブルハンプールからコルカタまで(乗り換え1回だけ、あるいは乗り換えなしの場合)の最も可能性の高い2つのルート。幼いサルーがどちらに乗ったのかは結局わかっていない。

①カンドワ(Khandwa):幼いサルーが住んでいた町“ガネッシュ・タライ”がある地区。サルーはずっと“ガネッシュ・タライ”を“ガネストレイ”だと思っていた。

②ブルハンプール(Burhanpur):幼いサルーが兄のグドゥとはぐれ回送列車に乗ってしまった駅。駅から見える給水塔をサルーは憶えており、25年後、それを頼りにこの地を見つけた。

③コルカタ(Kolkata):回送列車から降りられなくなったサルーがたどりついた駅。当時の名はカルカッタで、人口過密と公害、圧倒的な貧困で悪名高い危険な都市の一つだった。

◀︎サルーがGoogle Earthで探したブルハンプールの給水塔。これを広大なインドの土地から探すのに5年近くかかっている。

サルーがGoogle Earthで探したブルハンプールの給水塔。これを広大なインドの土地から探すのに5年近くかかっている。

Q :自分の人生についてを本に書くのはどんな経験? 本を書くことについては少し考えなければならなかった。個人的な物語で、長い間、誰にでも話せる話ではなくて、世界で独りぼっちだったんだ。ある時、両親にこのことをちらっと話したら、2人は言ってくれた。「書くべきだ。恐れずに難問に立ち向かい、前向きになって、この滅多になくて奥深い物語を語るべきだ。みんな、すばらしい物語と思うはずだから」ってね。

Q :映画化が決まった時の感想は? 僕の人生が映画化されると知って、飛びあがって喜んだ! 僕が経験した試練や苦難を人々に視覚的に見てもらえるんだから、すばらしい映画になるはずだと思ったよ。

Q :初めて本作を観ていかがでしたか? 僕は革製の椅子に座っていたのだけど、シートに爪を立ててしまったよ。映画の中に入り込んでしまうんだ。次に何が起こるのかが分からなかったし、いろんな感情も湧き上がった。それにとても感情的になったよ。インドで家族と離れ離れになった小さな子供の気持ちを体で感じた。大混乱だよ。