原作は伝説的名作。
原作は西村寿行による1975年徳間書店刊行の小説「君よ憤怒(ふんぬ)の河を渉れ」。
76年には高倉健主演で『君よ憤怒(ふんど)の河を渉れ』(佐藤純弥監督)として劇場公開された。中国では『追捕』というタイトルで1979年に文化革命後初めて公開された外国映画となった。観客動員数は8億人を超え、興行収入は現在のチケット価格で換算すると、100億人民元を超える大ヒットとなった。観客は登場人物のファッションやセリフをまね、〝追捕現象〟と呼ばれた。本作にも当時流行した「歩いていくんだ。君はあの青空に溶け込むことができる」、「前進あるのみ。振り向くな」というフレーズが登場する。
高倉健の熱烈なファンである監督は、彼の存在が自身の登場人物に影響を与えたと語る。『男たちの挽歌』でチョウ・ユンファが演じるマークもその1人だ。「オリジナルの『追捕』は高倉さん演じる杜丘の強烈なカリスマ性に強く惹かれた。また愛と人間の本質を非常に面白く表現しているとも思った。再映画化に際し、ストーリーから魅力的な要素を取り出し、私のスタイルを注ぎ込みたいと思った。人間性の探求やロマンチシズムという要素を深め、アクション演出も発展させたいと思った。さらに、ヒッチコックのような手法を用い、ミステリーの部分をより大きく扱おうと考えた」と監督は語る。