私は、マリア・カラス

MARIA by CALLAS

ABOUT THE MOVIE

誰も知らないマリア・カラスがここに。
未完の自叙伝、未公開映像・音源、
封印されたラブレター 初解禁!
3年間かけて世界を回り、マリア・カラスの友人たちを探し出しました。彼らは誰も見たことのない数多くの資料を保管していて、それらはマリア・カラスのとても個人的な記録でした。自叙伝と400通を超える手紙を読み終えた時に、やっと見えてきた〈マリア・カラスの姿〉が映画の最も重要な部分になることを確信しました。またその過程で、楽曲に関しても、観客によって撮影されたコンサートやオペラの映像をはじめ、幸運にも、これまで聴いたことのない数々の録音にアクセスできました。

今回、彼女と親しかった数え切れないほどの人々に会いましたが、彼女自身の言葉ほど強く、印象的な証言はなかったので、映画の中に他の人の証言はほぼ入れず、彼女の言葉だけでつなぐことを決めました。

彼女が書き残した言葉が世に出るのも、多くの真実が明かされるのも初めてなので、本作では、彼女の熱狂的なファンさえも知りようのなかった〈マリア・カラス〉が見られます。ライトを浴び、特別な運命を辿ったレジェンドの影に隠れていた〈一人の女性〉について、きっと深く理解していただける映画になったとおもいます。

―監督:トム・ヴォルフ

Introduction

生まれたままの魂で歌い愛した、
世紀の歌姫〈マリア・カラス〉
封印されてきた未完の自叙伝と
プライベートな手紙が、
世界初公開の映像と共に今、
紐解かれる─
音楽史に永遠に輝く星となったオペラ歌手、マリア・カラス。ひとたび聴けば忘れられない世界にひとつの歌声と、高度なテクニックを自在に操る歌唱力、演じるキャラクターが憑依する女優としての才能、さらにエキゾティックな美貌と圧倒的なカリスマ性で、観衆を虜にした不世出のディーヴァだ。
スターの座に上り詰めた彼女の名は、「完璧」を追い求め自分にも他人にも妥協を許さないスタイルや、自尊心が高いゆえの周囲との衝突、そして世間を騒がせた恋愛など、数々のスキャンダルによってさらに広まった。そんなドラマティックな人生は幾度か劇映画化され、舞台や記録映像を集めたドキュメンタリー映画も公開され、マリア・カラスの伝説はコンプリートされたかに見えた。
ところが、没後40年にして驚くべき事実が判明する。彼女は未完の自叙伝を遺していたのだ。オペラをテーマにした短編映画を数多く手掛けてきたトム・ヴォルフ監督が、マリア・カラスの歌声に惚れ込み、3年の月日をかけた〈真のマリア・カラスを探し求める旅〉でこの自叙伝を入手。
さらに彼女の親友たちから信頼を得て、封印されてきたプライベートな手紙や秘蔵映像・音源もふんだんに集めることに成功し、過去の作品群と一線を画す、まさに本物の人間ドラマが詰まったドキュメンタリー映画が完成した。
初めて彼女自身の〈歌と言葉〉
だけで〈告白〉する
世界を虜にした歌声と
スキャンダルの〈真実〉とは─?
カラスが書き残した自叙伝の中の文章と未公開の手紙は、『永遠のマリア・カラス』でカラスを演じたファニー・アルダンが、命を吹き込むように朗読する。そこには、連日のようにゴシップ紙の一面を飾った数々のスキャンダル─28歳年上の男性との結婚、大統領やセレブも駆け付けたローマ歌劇場の舞台を第1幕で降りたことへの激しいバッシング、カラスに“クビ”を宣告したメトロポリタン歌劇場の支配人とのバトル、ギリシャの大富豪オナシスとの大恋愛と夫との離婚、愛し合っていたはずのオナシスが、暗殺されたアメリカ大統領ケネディの未亡人ジャクリーンと結婚したことを新聞で知るという衝撃の顛末─の真相と、カラスの心の叫びが切々と吐露されている。
その他に世界初公開となるのは、自宅や友人宅でリラックスする素顔や豪華クルーズを楽しむ姿が8ミリや16ミリに収められたプライベートフィルム、貧しかった少女時代などカラスの引き出しの奥から出てきたような個人的な写真、熱狂的なファンが無許可で撮影したパフォーマンス、親しい関係者やファンから入手した音声テープ、TV放映でカットされたインタビューなどで、作品中の実に50%以上を占める。過去に公開されたものも、1度生放送されて以来ずっとお蔵入りになって眠っていたインタビューや、モノクロに当時の写真をもとに色付けされた映像など、特別なお宝ばかりだ。
まさに全編が、マリア・カラス本人の歌と言葉だけで綴られる、“真実の告白”。頂点を極めてもなお高みを目指そうとするアーティストとしての信念と、結婚や出産などひとりの女性としての幸せの間で揺れ動く姿は、観る者の胸を熱くする。さらに、どんな一流のプロフェッショナルにも訪れる、キャリアの衰退にも果敢に立ち向かう姿勢も、多くの共感を呼ぶだろう。
今だからこそ、大スクリーンから全身で受けとめたい─どんな波乱にぶつかっても自分の魂に誠実に生きた人生からほとばしる、観衆に特別なパワーと優しさを与えてくれる歌声を─。

Story

超貴重! マリア・カラス本人歌唱楽曲

初めてカラーで蘇る生歌唱舞台や
プライベートでの歌唱など、
貴重な映像や楽曲がたっぷり!!

歌劇 楽曲 作曲者
蝶々夫人 なんて美しい空! プッチーニ
シチリアの晩鐘 ありがとう、愛する友よ ヴェルディ
ノルマ 清らかな女神よ ベッリーニ
椿姫 さようなら、過ぎ去った日々よ ヴェルディ
マクベス 早く来て、明かりを ヴェルディ
カルメン 恋は野の鳥(ハバネラ) ビゼー
カヴァレリア・ルスティカーナ ママも知るとおり マスカーニ
トスカ 歌に生き、恋に生き プッチーニ
夢遊病の娘 おお花よ、お前がこんなに早く萎んでしまうとは ベッリーニ
アンドレア・シェニエ 母が死に ジョルダーノ
ジャンニ・スキッキ 私のお父さん プッチーニ
歌劇 蝶々夫人
楽曲 なんて美しい空!
作曲者 プッチーニ
歌劇 シチリアの晩鐘
楽曲 ありがとう、愛する友よ
作曲者 ヴェルディ
歌劇 ノルマ
楽曲 清らかな女神よ
作曲者 ベッリーニ
歌劇 椿姫
楽曲 さようなら、過ぎ去った日々よ
作曲者 ヴェルディ
歌劇 マクベス
楽曲 早く来て、明かりを
作曲者 ヴェルディ
歌劇 カルメン
楽曲 恋は野の鳥(ハバネラ)
作曲者 ビゼー
歌劇 カヴァレリア・ルスティカーナ
楽曲 ママも知るとおり
作曲者 マスカーニ
歌劇 トスカ
楽曲 歌に生き、恋に生き
作曲者 プッチーニ
歌劇 夢遊病の娘
楽曲 おお花よ、お前がこんなに早く萎んでしまうとは
作曲者 ベッリーニ
歌劇 アンドレア・シェニエ
楽曲 母が死に
作曲者 ジョルダーノ
歌劇 ジャンニ・スキッキ
楽曲 私のお父さん
作曲者 プッチーニ
他 数々の名曲が登場!

Cast and Staff

監督 トム・ヴォルフ

ロシア、サンクトペテルブルク生まれ、フランス育ち。
2006年に映画作りを始める。カメラマンとしても活躍。手がけてきたのは、ファッション広告、国際的組織や企業のPR映像のようなものから、オペラをテーマとする短編映画など多岐にわたる。シャトレ座ではオーディオビジュアル・コミュニケーションを3年に渡り担当し、さらに、プラシド・ドミンゴ、スティング、デヴィッド・クローネンバーグなどの数々の偉大な人物や作家のインタビュアーとしても活躍。
2013年にニューヨークに移り、マリア・カラスの歌声に感銘を受け、マリア・カラスを探求するプロジェクトを開始。3年間にわたり世界中を旅し未公開の資料や映像、音源を探した。またカラスの近親者や仕事相手にも会いに行き、60時間以上のインタビューを実施。そこで得た貴重な情報や素材は初の長編監督映画となる『私は、マリア・カラス』(原題:Maria by Callas)、3冊の書籍、2017年9月パリで開催した展示会などでみることができる。

朗読 ファニー・アルダン

1949年3月22日、フランス生まれ。モナコで育ち、大学はフランスのエクス=アン=プロヴァンス政治学院を卒業。
20代前半より演劇に興味を持ち、ロンドン在仏大使館勤務を経て、1973年、演劇学校に入学。翌1974年に初舞台、1976年に映画デビュー。TVミニ・シリーズ「Les dames de la côte」(1979)での演技に感銘を受けたフランソワ・トリュフォーが、『隣の女』(1981)のヒロインに抜擢し、一躍脚光を集め、続く『日曜日が待ち遠しい!』(1982)も主演。これが縁で、トリュフォーとはプライベートでもパートナーとなり、1983年に娘が生まる。1996年セザール賞主演女優賞を受賞。フランスを代表する女優の地位を確立。代表作は『8人の女たち』(2002)『麗しき日々』(2013)など。『永遠のマリア・カラス』(2002)ではマリア・カラスを演じている。

劇中に登場するセレブリティ

アリストテレス・オナシス(海運王)
バティスタ・メネギーニ(実業家・夫)
エルビラ・デ・イダルゴ(ソプラノ歌手・恩師)
ジャクリーン・ケネディ(元米国大統領夫人)
ヴィットリオ・デ・シーカ(俳優・映画監督)
ピエル・パオロ・パゾリーニ(映画監督)
ルキノ・ヴィスコンティ(映画監督)
オマー・シャリフ(俳優)
ブリジット・バルドー(女優)
カトリーヌ・ドヌーヴ(女優)
グレース・ケリー(女優・モナコ公妃)
レーニエ3世(モナコ大公)
エリザベス・テイラー(女優)
ウィンストン・チャーチル(元英国首相)
エリザベス女王
マーガレット・ローズ(エリザベス女王の妹)
ジャン・コクトー(作家)
フランコ・ゼフィレッリ(映画監督・オペラ演出家)
ジュゼッペ・ディ・ステファノ(テノール歌手)
ルドルフ・ビング(メトロポリタン歌劇場支配人)
エドワード8世(ウィンザー公爵)
ウォリス・シンプソン(ウィンザー公爵夫人)
・・・他

私は、マリア・カラス

12/21(Fri) ROADSHOW