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あの怪物のかなしみは彼女自身のかなしみ。孤独も。
ヒグチユウコ画家
傑作!メアリー・シェリーの生き様に胸を打たれる。
夢を諦めかけたり、人から夢を嘲笑われる度に、彼女の存在を思い出し、励まされ続けるだろう。
ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』
創作は、あらゆる負の感情をプラスに変える魔法。
深すぎる絶望が、希望になる瞬間を見ました。
俵万智歌人
これはゴシック革命だ。
情熱にまかせるまま、進んでみる。
愚かな恋と絶望から、それは生まれる。
あまねくアーティスト、クリエイター志望者は勇気を得るだろう。
幾原邦彦アニメーション監督
怪物よりも百倍怖いのは、
女の子の未来を食い潰す、
偏見、差別、男の身勝手な欲望だとわかる。
どんなに傷つけられたとしても、
「心の声」に耳を澄まして、
バラバラになった身体をつなぎあわせよう。
柚木麻子作家
女性が自分の名前で本を出すということ。
その自由を獲得するために
何人のメアリーがいたのだろう。
自分だけの声(物語)を見つけたメアリーは
どこまでも強く、美しい。
窪美澄小説家
苦難が続いたあとの執筆シーンで、
「あ、書けた」と声が出た。
出版交渉では「若い女性のテーマではない」と何度も断られるが、
性別は関係ない、と突き進むメアリー。
出版は、革命だ。
山崎ナオコーラ作家
これが百年以上前の話だから、面白い。
現代人には全ての事象が新鮮である。 リアリズムで描くロマネスクの世界。
宇野亞喜良イラストレーター
この激しさ、強さ、美しさに圧倒された!
前作で、抑圧の下でもしなやかに成長する少女の姿を見せてくれた監督が、
今度は、最もおぞましくかつ切ない怪物を生み出した女性の、苛酷に真摯に人生に立ち向かう姿を描いた。
本作には作家としての芯を揺すぶられる
柴田よしき作家
これは“昔”の話ではない。“今”の話だ。頭ごなしに否定されて暮らす人たちが今も世界中にいる。
その一例としてのメアリーと、そして彼女の妹の物語は、現代の人間こそを惹きつける。
姫野カオルコ小説家
孤独と悲しみと絶望――
不幸が傑作を生むとは限らないが、「フランケンシュタイン」はそこから生まれた文学的傑作であった。
それを教えてくれるこの映画も同じだ。
菊地秀行作家
女性は、作者としての名さえ消されかねない時代。自由恋愛は男の身勝手な弁に過ぎない。
〈怪物〉は、メアリーの壮絶な孤独の結晶であった。画面の色調と構図の美にも惹かれた。
皆川博子作家
バイロンの警句より透徹で、シェリーの賛歌よりも気高き熱情よ!
真の革命は悉く女が成し遂げる。
メアリーが創造したものは怪物ではなく、新しい人間の魂だったのだ。
嶽本野ばら作家
怪物を生むことも、怪物に共感することも、とても苦しい。
この物語はハッピーエンドではないのかもしれない。
だけど決して明るくはないものが、希望と理想になることもある。
はらだ有彩テキストレーター
凶暴で怖いばかりの存在だと思っていたフランケンシュタインの怪物。
物語を生み出した18歳の少女は一人の恋人を愛し、愛されたかった、ごく普通の女の子。
怪物が泣くとき、彼女もまた裏切られ泣いていた。その姿が重なるとき、
この灰色の怪物に対してとてつもない温もりと親近感を覚えずにはいられない。
黒色すみれ ゆかネオクラシックユニット
200年前の保守的なイギリスで奔放に生き、18歳で文学の意欲作「フランケンシュタイン」を生んだメアリー、エル・ファニングの静かに燃える演技に拍手!
ピーター・バラカンブロードキャスター
みごとなまでの女性映画!
200年前の実社会こそが女性にとってホラーそのものだったんだ。
パーシーもバイロンもゲスの極み
荒俣宏作家
劇中エル・ファニングが自筆でフランケンシュタインを執筆するシーンがあるわ。
自筆で書く行為とはそこに「何ものか」を宿らせる儀式。
ファニングとメアリーが本当に重なり合う名シーン!!!
ヴィヴィアン佐藤ドラァグクイーン/美術家