リアルな災害超大作を実現するため、制作陣は地上のセット構築から心血を注いだ。「映画のスタートはセットなんだ。セットのクオリティがCGのクオリティを左右する」と語るジフン監督は、現実世界でよく目にする地域を再現することにこだわったという。制作陣は5カ月かけてアパートやプールなど、20以上の巨大セットを作り上げた。これらは、長水区のサウンドステージで組み立てられた。そのリアルなセットには、出演者も驚かされた。マンスを演じたチャ・スンウォンは「錯覚を起こすほどセットがとてもリアルに作られていたので本当にびっくりした」と話す。

「災害時に人々が共感できるような、身近な空間を作りたかった」とプロダクションデザイナーのキム・テヨンは制作へのこだわりを語る。また、ドンウォンの家は温かく楽しい雰囲気に、マンス親子の家はシンプルでクールな色調にすることで生活感を出し、住むキャラクターに合うようにデザインされた。さらに震災前の状況を表現するため、構造物の揺れを生々しく表現できるようなオブジェが追加された。500ｍ地下への陥没後のセットは、穴の中で構造物がどのように揺れるかを表現するために、ジンバルの上に組まれた。

さらに終盤、雨が降り続くことで陥没穴が水で満たされるシーンでは、水上のステージにセットが組まれ、スペクタクル感を一段とグレードアップさせた。「災害映画ではあるが、暗いトーンにはしたくなかった。ジャングルから脱出したり、森の中をハイキングしているような、さまざまな空間からの爽快感を出したかった」とVFXスーパーバイザーのギョンフンが語るように、韓国映画界最高の映画人たちが力を合わせ、世界レベルの映像と多彩なスペクタクルで、まるで観客が本物の陥没穴の中を体感できるような映画を完成させた。