指揮官エリック・マーシュを演じるのはアカデミー賞®ノミネート俳優ジョシュ・ブローリン。20代の頃、アリゾナ州のボランティア消防隊で3年間消火活動を経験した彼は、今回専門家の指導によるトレーニングで約18kgを減量、ノーマン・マクリーンの著書(※1)を読破し、消防士のビデオを何本も見るなどの準備をして本作に臨んだ。ブローリンは言う。「これは日常のヒーローについての物語だ。彼らの、危険を顧みず自ら犠牲になることすら厭わない精神に共感し、費やした努力の大きさに強く感動した」。
ブレンダン・マクドナウを演じたのはマイルズ・テラー。テラーは劇中のチームワーク描写に心打たれたという。「僕が手を抜いていい加減な仕事をすれば、僕の後に続く連中が余計な負担を強いられる。やるべきことをやるのは、自分の両隣にいる仲間のため。ブレンダンが“ドーナツ”と呼ばれていたのは、着任時の彼がただの大きなゼロだったからだ。筋肉もチームへの貢献もゼロ。ドラッグの問題を抱えて拘置所を出たり入ったりしていた。人生を見失い、母親に追い出され、子どもが産まれたばかり、そんな中で彼は人生を一変させる機会を探していた。そしてマーシュが彼に機会を与え、彼は決してギブアップしなかった。これこそ本当の仲間の姿だ」。
コシンスキー監督は喧嘩好きな隊員クリストファー・マッケンジー役にテイラー・キッチュを抜擢した。キッチュは言う。「演じるのは楽しかった。彼は言うなれば一流の道化師で、いつもみんなを明るい気持ちにさせている。ドーナツのだらしなさを知っていたクリスは、彼を信用しないが、ドーナツは行動で徐々に信頼を得て、最後には二人は親友になる。この映画は長い時間の流れを描くことで、二人の関係の発展と変化を見せてくれる」。
エリックの妻アマンダを演じるのはアカデミー賞®受賞女優のジェニファー・コネリー。コネリーは語る。「役作りのためにアマンダ本人と一緒に過ごせて幸運だった。彼女は時間を惜しむことなく、エリックとの生活を教えてくれた。一緒に馬に乗り、ひづめを研ぐ方法も教えてもらった。彼女は自分のカウボーイ・ブーツさえも貸してくれたのよ。それが私が映画の中で履いているブーツなの」。
プレスコット市消防署長のデュエイン・スタインブリンクを演じるのはアカデミー賞®俳優ジェフ・ブリッジス。「最初に台本を読んだ時、アクション映画を超越する物語に心を動かされた。情感豊かで胸を打つ作品だ」と語るブリッジスについて、プロデューサーのトレント・ラッキンビルは言う。「ジェフは典型的なアメリカ文化を体現する男だ。西部に対する愛を示せる役があれば、適任の俳優は彼をおいて他にいない」。
最後に出演が決まったのは、スタインブリンクの妻マーヴェルを演じるアンディ・マクダウェル。「私はこの話をよく知っていたわ。モンタナで森に囲まれて暮らしているから、大きな山火事は実際に体験したことがある」と彼女は言う。「彼らはヒーローだし、この映画はそのことを世界に伝えてくれるはずだわ」。
※1 「マクリーンの渓谷 –若きスモークジャンパー(森林降下消防士)たちの悲劇」
モンタナ州で起きた実話を元にした、パラシュート降下し森林火災に挑んだ消防士たちの物語。