森林消防隊の多くは連邦機関によって運営・管理され、そのうちの大部分は米国農務省森林局の管轄下に置かれている。森林消防隊は選りすぐりの特殊消防士であり、彼らの主な消火方法は火の周囲を囲んで線状に穴を掘り、燃える物を取り除くというというものである。こうすることで火は行き場を失い、燃え尽きた円の中で鎮火する。チェーンソー、手斧、斧などの消防機材を彼らは背負って運ぶ。消火活動をする際、彼らは木や枝、草などの可燃物を取り除いたコールド・ブラック」と呼ばれる安全地帯の中に入る。
2014年にショーン・フリンが書いた『GQ』誌の記事の中に次のような記述がある。「森林消防隊がエリートなのは、彼らが恐ろしくタフだからだ。肉体的にタフなのは、最低でも約18.1キロはある荷物を背負ってきつい仕事をするからだ。仕事の現場はヤギが登るような急な坂、渓谷のどん底、山のてっぺんなど。いち早く駆けつけるために、彼らはほとんどいつも普通のハイキングの倍の速さで進む。しかし彼らは精神的にもタフだ。16時間働き、土の上で眠り、起きたらまた16時間働くという日々を何度も繰り返す。仕事の中身が最悪だなんて考えは、少なくとも表には出さない」。
米国には約107の森林消防隊があり、各隊は20名の消防隊員で構成されている。米国で認可を受けた選りすぐりの森林消防隊員2000名は、森林火災消防の訓練を徹底的に受け、常に準備万端である。山火事の季節である夏には、通報を受けて即座に僻地に臨場できるように旅支度も常に整えている。隊員はヘリや車で駆けつけ、キャンプを張り、移動経路を練ると、すぐさま前線に飛び込む。
著書『The Fire Line』の中で、フェルナンダ・サントスは次のようにコメントしている。「森林消防隊の20人の消防士たちは固い連帯で結ばれ、多くの訓練を積み、剛健な肉体を持ち、いつも勇気を発揮している。しかし彼らは、自分が仲間の中では一番弱い方だとよくこぼす。燃え盛る原野が戦場であるとすれば、彼らは自分の足で敵に向かう歩兵隊だ」。
森林防災は危険が伴う仕事である。米国西部だけでなく世界各地で重大な山火事が発生している現在、彼らが直面する危険は増している。