8歳のネリーは両親と共に、
森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。
大好きなおばあちゃんが亡くなったので、
母が少女時代を過ごしたこの家を、
片付けることになったのだ。
だが、何を見ても思い出に
胸をしめつけられる母は、
何も言わずに
一人でどこかへ出て行ってしまう。
残されたネリーは、
かつて母が遊んだ森を探索するうちに、
自分と同じ年の少女と出会う。
母の名前「マリオン」を名乗る
彼女の家に招かれると、
そこは“おばあちゃんの家”だった――。
第72回カンヌ国際映画祭の脚本賞とクィア・パルム賞を始め、各国の映画賞を59受賞し、157ノミネートを果たすという偉業を成し遂げた『燃ゆる女の肖像』。すべてのカットに美が宿る完璧な映像と忘れ得ぬ愛の物語を、世界中の数多くの人々が「生涯の一本」として、感動に震える胸に刻み付けた。その名作を生み出したのが、セリーヌ・シアマ監督。デビュー作の『水の中のつぼみ』でセザール賞新人監督作品賞にノミネートされるなど、本国フランスではその眩いばかりの才能が早くから評価されてきた。そして今や、困難な時代を生きる私たちにエンターテインメントで光をもたらす存在として、深い共感とリスペクトを集めている。
そんなシアマ監督が、真骨頂である女性の深淵を描きつつ、全く新しい扉を開く最新作を完成させた。
それは、8歳の少女を主人公にした<喪失>と<癒し>の物語。ベルリン国際映画祭で上映されるや、「大傑作!」と熱い喝采を浴び、次々と映画祭に招かれるたびに賞のカウントを増やし、英国アカデミー賞にノミネートされ、Rotten TomatoesのTOMATOMETERでは97%(2022.7.14時点)の支持を得る必見の作品が、ついに日本を圧倒する。
8歳のネリーは両親と共に、
森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。
大好きなおばあちゃんが亡くなったので、
母が少女時代を過ごしたこの家を、
片付けることになったのだ。
だが、何を見ても思い出に
胸をしめつけられる母は、
何も言わずに
一人でどこかへ出て行ってしまう。
残されたネリーは、
かつて母が遊んだ森を探索するうちに、
自分と同じ年の少女と出会う。
母の名前「マリオン」を名乗る
彼女の家に招かれると、
そこは“おばあちゃんの家”だった――。
8歳の少女の時空を超えた出会いを通して
娘・母・祖母の三世代の喪失を癒し、
観る者までも救う物語
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世の中の危機が子供たちに降りかかる
今こそ必要な物語
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迷った時は、
「宮崎駿監督ならどうする?」
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監督・脚本・衣装
セリーヌ・シアマ
Director & Screenplay & Costume CÉLINE SCIAMMA
1978年、フランス、ヴァル=ドワーズ生まれ。フランス文学で修士号を取得後、ラ・フェミス(フランス国立映像音響芸術学院)の脚本コースで学ぶ。2004年、脚本家としてデビュー。2007年に卒業制作を発展させた長編『水の中のつぼみ』が、カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式出品され高い評価を受ける。続く『トムボーイ』(11)はベルリン国際映画祭のパノラマ部門のオープニング作品として上映され、テディ賞を受賞。さらに、カンヌ国際映画祭監督週間オープニング作品となった『ガールフッド』(14/未)が、セザール賞有望若手女優賞、音楽賞、音響賞にノミネートされ、自身も監督賞にノミネートされ、ストックホルム国際映画祭でグランプリを受賞する。また、脚本で参加した『ぼくの名前はズッキーニ』(16)でセザール賞脚色賞を受賞する。そして、『燃ゆる女の肖像』(19)でカンヌ国際映画祭脚本賞とクィア・パルム賞に輝き、ゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされ、世界的な名監督としての地位を不動のものとする。その他、ジャック・オーディアール監督の『パリ13区』(21)の脚本も手掛ける。
撮影
クレア・マトン
DOP CLAIRE MATHON
1975年生まれ。パリ国立高等鉱業学校で映画を学び、1998年に卒業。以降数多くの短編映画、ドキュメンタリー、長編映画の撮影に携わる。2013年に『L'inconnu du lac(原題)』(未)でセザール賞にノミネートされる。続く『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』(15)でリュミエール賞にノミネート。さらにカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品『アトランティックス』(19)では、ロサンゼルス映画批評家協会賞を受賞。そして、『燃ゆる女の肖像』(19)でセザール賞を始め数多くの受賞とノミネートを果たし、オリジナリティ溢れる映像を生み出す撮影監督として認められる。その他の作品は、『南へ行けば』(09/未)、『黒いスーツを着た男』(12)、『今さら言えない小さな秘密』(18)、『スペンサー ダイアナの決意』(21)など。
音楽
ジャン=バプティスト・
ドゥ・ロビエ
Music JEAN-BAPTISTE DE LAUBIER
1979年、フランス、オルレアン生まれ。アーティスト名Para Oneとしても知られる、エレクトロニックプロデューサーであり、作曲家。映画音楽では、セリーヌ・シアマ監督とのコラボレーションで知られ、同監督の『トムボーイ』(11)、セザール賞にノミネートされた『ガールフッド』(14 / 未)、『燃ゆる女の肖像』(19)を手掛ける。
ネリー&マリオン|Nelly & Marion
ジョセフィーヌ&
ガブリエル・サンス姉妹
JOSEPHINE SANZ & GABRIELLE SANZ
本作が映画初出演となる双子の姉妹。「本当の姉妹で撮影したい」というセリーヌ・シアマ監督の要望を受けて、キャスティング・ディレクターが姉妹を募集、サンス姉妹からの申し込みを受けて面接の上、出演が決定した。決め手は、本人たちの物語への深い理解力と、一緒に作品を作りたいという強い意志だったという。
ネリーの母|The Mother
ニナ・ミュリス
NINA MEURISSE
1988年、フランス、カルヴァドス生まれ。2000年に映画デビュー。その才能を広く知られたのは、セザール賞とリュミエール賞の有望若手女優賞にノミネートされた『カミーユ』(19)。2014年に中央アフリカ共和国の紛争を取材中に、26歳で殺害された実在のフランスのフォトジャーナリスト、カミーユ・ルパージュを演じて高く評価された。その他の主な出演作は、『虚空の鎮魂歌(レクイエム)』(12)、『素顔のルル』(13)、『女の一生』(16)など。
ネリーの祖母|The Grand-Mother
マルゴ・アバスカル
MARGOT ABASCAL
1973年、フランス、パリ生まれ。主な出演作は、TVシリーズ「新・メグレ警視/ローソク売り」(95)、フランソワ・オゾン監督の短編『ベッドタイム・ストーリーズ』(98)、『サガン -悲しみよ こんにちは-』(08) 、『乙女たちの秘めごと』(17/未)など。
ネリーの父|The father
ステファン・ヴァルペンヌ
STEPHANE VARUPENNE
フランスのリール地方音楽院で演劇と音楽を学んだ後、パリ国立高等音楽・舞踊学校に入学。2007年にコメディ・フランセーズに入団する。様々な舞台に出演すると共に、トロンボーンやギターの奏者としても活躍する。主な映画出演作は、『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』(16)、『グッバイ・ゴダール!』(17)など。