• お別れ、そして、さようなら。それは寂しいもの、悲しいもの、苦しいものではあるけれど。
    救いであり、再生であることも教えてくれる物語の余韻は美しい。でもやっぱり、少し泣いてしまう。

    岩井志麻子(作家)

  • 自分が子供の頃遊んだ子の中に、母が混じっていたような気になってしまった。
    そんなわけないんだけど、もしいたとしたら、どう遊んだのだろう?仲良くなれたのかな?

    内田春菊(漫画家)

  • 時を超えてきたのは“私”?それとも幼き日の“母”?
    静謐で端正な映像の迷宮に浸りきりました!謎づくりが巧みすぎる。

    梶尾真治(作家)

  • 秘密の森で無邪気に遊ぶ同い年の少女たち。美しい日常風景。見事な演出と色彩設計による映像世界に魅了される。
    ただし、ふたりは母と娘。この不可思議な“混線”が、親子三代に渡る家族の“秘密”と、
    “その向こう”に消えた別離を繋ぎ合わせる。なんともシンプルで優しい73分。
    セリーヌ・シアマ版の「となりのトトロ」とも言える。いや、これは、さらにそのとなりの“向こう”側を包み込んだ傑作だ。

    小島秀夫(ゲームクリエイター)

  • 『燃ゆる女の肖像』でレズビアン/フェミニスト映画のひとつの到達点を我々に提示してくれた
    セリーヌ・シアマの次の作品が、こんなにも小さなかけがえのない宝物であることの驚き。
    シアマはわたしにとって、今世紀最も愛すべき作家だ。

    児玉美月(映画執筆家)

  • 美しい森に
    少女たちの秘密の物語へとごく自然に導かれ、
    深い絆が生む不思議の奇跡に惹き込まれる。

    佐伯敦子(スタイリスト)

  • 「あなた」を見つめること。「私」を発見すること。たった二つの行為から、奇跡のような瞬間が誕生する。

    月永理絵(ライター/編集者)

  • 大切な人との別れに“Au revoir”ではなく“Salut”を望んだ8歳のネリーによって、
    本作は再会の物語となり、大人たちの孤独を照らす。

    長島有里枝(写真家)

  • セリーヌ・シアマ監督に、僕の作品「おおかみこどもの雨と雪」がインスピレーションを与えたと聞き、光栄に思います。
    拝見しながら「未来のミライ」も連想しました。
    生と喪失との間を揺れ動く小さな命の折り重なりを極めて繊細に描かれており、息を呑む瞬間が幾度もありました。
    ミニマルな間尺の中に、かつて私たちも、この二度と来ないささやかな時を何度も繰り返してきたのかもしれない、
    と思いを馳せました。彼女の映画から、僕も新しい映画へのインスピレーションを受けたいと思います。
    映画同士も互いに影響し合い、作品から作品へ、大事なことをリレーのように伝えていくものなのかもしれません。

    細田守(映画監督)

  • 幼心だけが理解できる悲しみがあり、かけてあげられる優しい言葉がある。
    二人の少女の交流に、こんがらかった関係のままでいるたくさんの母と娘が救われるはず。

    山崎まどか(コラムニスト)