ポートマンの夫であるバンジャマン・ミルピエが、ポートマンがバレーダンサー役で出演した映画『ブラック・スワン』に続き、ダンスシーンの振り付けを担当することになった。ポートマンは笑顔を浮かべながら、ポップスの歌姫を演じる最初の準備は、夫と共に自宅で行っていたと明かす。「また夫と仕事をする機会をもらえるなんて、信じられないほどうれしかったわ。夫は最終場面のパフォーマンスで登場するすべての女性の振り付けを担当したの。それで家でも私のリハーサルをしてくれたので、二人で猛練習ができたわ。日常生活の合間にも演技の準備ができて、本当に楽しかった」
ポートマンがセレステとして歌う曲はすべて、グラミー賞ノミネートアーティストであるシーアによって本作のために作られた。ポートマンは、「ずっとシーアのファンだったので、もちろん彼女の役を演じているわけではないけれど、彼女が作った音楽を歌うことができたのは、すごく贅沢な気分だった」と微笑む。「録音もシーアの製作チームが担当してくれたの。彼らがボーカルを処理して多重録音するのを見て、本当に面白かったし興奮したわ。人気歌手を演じるのは夢だったけれど、どうやって私の声をプロの歌手に聞こえるようにするのか不思議だった。彼らは様々な設備を持っていて、なんと私の歌もスターのように聞こえたわ! 役者になると、誰か他の人の人生に足を踏み入れることができる。ポップスターにもなれる。素敵でしょう」
本作では高精細カメラと35mmフィルムカメラを使い、美しい映像と乱れた映像を並べているが、最後のコンサートの場面はスーパーボウル・カメラで撮影された。コーベット監督は、「重要なのは、あの舞台がCGではなく、実際に作ったものだったことだ。舞台のサイズはマディソン・スクエア・ガーデンより、幅・上下共に3~4フィート(約1メートル)短いだけだ。僕は断固として本物のコンサートを作り出すことにこだわった」と胸を張る。
その舞台は、ロング・アイランドの撮影所に作られた。ポートマンは、「なんと私が育った家から5分のところよ。だから、私にとって、まるで故郷に帰ったようで特別だったわ」と感慨深げに締めくくる。
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