監督の期待を超えたキャスティング
監督の期待を超えたキャスティング
肖像画のモデルとなるエロイーズ役は、シアマ監督が長編映画監督デビュー作『水の中のつぼみ』でタッグを組んだ、アデル・エネルを念頭に書かれた。シアマ監督は、「ここ数年でアデルが実証してきた才能を、この役柄に反映させていますが、彼女に私も知らない新境地を開拓してもらいたいという期待も込めました」と語る。また、撮影現場でのアデルとの対等な関係を、「私は“ミューズ”という概念に終止符を打ちました。互いの創造性で新たな描き方をしています。私たちの現場にはミューズはいません。私たちはお互いに刺激を与える協力者という関係でした」と説明する。
マリアンヌ役には、ノエミ・メルランが抜擢された。シアマ監督は、「マリアンヌはすべてのシーンに登場するので、強い存在感の女優が必要でした。また、彼女とエロイーズを、象徴的で特別な印象のカップルにしたいと思いました。ノエミは毅然としていて、勇敢で情熱的な役者です。正確さと過度な部分を混じり合わせながら、マリアンヌという人物を作り上げてくれました。まるで、マリアンヌが実在の人物のように見えるのは、ノエミのおかげです」と称賛する。