現代のアーティストが
古典技法で仕上げた肖像画

現代のアーティストが
古典技法で仕上げた肖像画

画家の制作プロセス全体を見せるために、絵画を用意する必要があった。シアマ監督は模倣画の作家ではなく、アーティストを探していた。マリアンヌと同じ30歳で、今現在、活躍している画家だ。女性画家に絞って、インスタグラムなどで現代画をリサーチする中で、シアマ監督はエレーヌ・デルメールという画家を見つける。油絵の古典的な技法も学び、19世紀の技法にも精通している画家だ。
編集で合成するのではなく、画家のリアルな動作やリズムを映し出したいというシアマ監督の構想をかなえるために、撮影監督のクレア・マトンは、エレーヌ・デルメールが実際に絵画を制作する様々な段階を、すべて連続で撮影した。その甲斐あって肖像画は、飾りではなく重要な登場人物となり、二人の“ 再会” シーンも彩った。