2023.05.11 POSTED

完成披露試写会イベント実施のご報告

本作の完成披露試写会が、5月8日(月)TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、中村獅童、脚本家の坂元裕二、そして是枝裕和監督が参加しました。

チーム『怪物』が久々に勢ぞろいしての舞台挨拶に、安藤は冒頭から「(MCからの呼び込みの)『怪物の仲間たちに~』という言葉でグッときて、2人(黒川・柊木)をみたら泣きそうになりました」とコメント。今回、脚本家の坂元裕二と初タッグを組んだ是枝は「以前から脚本を自分で書かないのであれば坂元さんにお願いをしたいと思っていて、ラブコールを送っていました。そして川村元気プロデューサーからプロットを開発しているとの話を聞いて、内容を読む前から引き受けることを決めていました」と念願の組み合わせだったことを告白。その坂元は「是枝監督は尊敬する脚本家でもあるので、そんな方に自分が書いていいのかと…受け入れてくれたことに正直驚きました」とコメントした。
そんな坂元と是枝について、坂元作品には欠かせない存在で、是枝作品には初出演となった永山は「坂元さんとは、二十代の前半からいろいろお付き合いさせてもらい、数々の素晴らしい脚本を書いてもらいました。僕が俳優を続けている限り、一生お付き合いしたいと思っています。是枝さんは、僕が俳優をはじめてから、自分なりにこの人が日本映画を変えていくのだろうと感じて、全作品を拝見してきました。そのお二人の座組に自分が入れたことを幸せに感じています」と出演にあたっての喜びをコメント。一方で安藤はオファーを受けて「ものすごく嬉しい反面、監督の現場にすぐ戻ること、坂元さんの脚本であることは、私にはものすごく敷居が高いように思えて、かなり長いこと怖じ気づいてなかなか覚悟を決められませんでした。でも、現場に参加して、完成した作品をスクリーンで観た時に、その時の自分を”一発殴りたい”気持ちになりました。自分の想像をはるかに超える作品に参加できたこと本当に嬉しく思っています。本作に参加した一員というよりは、作品を観た一人として、本作に感動して涙が止まりませんでした」とコメントした。
オーディションで抜擢された黒川と柊木について、是枝は「黒川君は横顔のラインがいい。柊木君は会った瞬間に“この子だな”と思った」と起用理由を明かし、坂元も「お二人とも素晴らしいお芝居をされていて役に合っている。この物語は僕自身の子供の頃の体験を基にしていて、柊木君は転校していった僕の友達にとても似ている」と自らの体験を投影したエピソードを明かした。
撮影中のエピソードについてお芝居に悩んだりすることはなかったかという質問に、黒川は「カットがかかっても、なかなか湊くんから自分自身に戻ることができなくて、苦しくなったり、悲しくなったりすることがありました。でも、とても楽しかったです」と語り、柊木は「(お芝居に悩むことは)特に悩むことはなかったです」とコメントし、「撮影期間中に安藤さんや黒川くんたちと花火を見に行って、すごくキレイで楽しかったです」と思い出を語った。
 是枝作品への参加が念願だった高畑は「撮影前からワクワクしてインするのが楽しみだったけれど、私の初日が他の皆さんのクランクインとも被ってしまって、急に緊張。永山さんとも初めてだったので緊張感マックスでした。でも是枝さんが温かみを持ってくださっている気がして、じんわり温かい気持ちであっという間に終わってしまいました」と語り、是枝監督ファンだいう中村は過去 「“いつか僕を使ってください!”と言いに行った」と監督に直談判していたことを明かし「それからかなり時間が経ったけど、2020年のコロナ禍の時に家族に“死ぬまでには是枝監督の作品に出られたらいいな”と話していた数か月後にこのお話を頂いた。想いは叶うんだなと思った」と出演への喜びを噛みしめていた。
 さらに、本作の音楽を坂本龍一が手掛けたことについて是枝は「撮影場所が諏訪に決まって風景が明解になったときに、夜の湖に坂本さんのピアノが響けば良いなと思った。撮影中も編集しながら坂本さんの既存の楽曲を映像に仮で当てていて、撮影後に仮当てした作品と共に手紙を書いて坂本さんにオファーしました」と経緯を説明。坂本からは「全部を引き受ける体力は残っていないけれど、音楽のイメージが何曲か湧いたので形にしてみます。気に入ったら使ってください」との返信があったという。「坂本さんが亡くなられたのは本当に残念だけれど、最後にこのような形でご一緒できたのは自分にとっても誇り。この作品に坂本さんの音楽は必要だったと誰よりも自分が感じています」と感慨深げに語った上で「色々と特別なものが映った映画になったと思います。スタッフが完成試写を観てすべての人がいい仕事をしていると言ってくれたのが嬉しかった。いいチームで本当に素晴らしい映画が完成したと確信しています」と自信を持って『怪物』を送り出した。

関連リンク
https://www.toho.co.jp/movie/news/kaibutsu-movie_20230508