映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション【後章】』がついに公開!初日同日の5月24日(金)には都内映画館で初日舞台挨拶が実施され、幾田りら、あの、島袋美由利、大木咲絵子、和氣あず未、白石涼子、入野自由、内山昂輝、坂泰斗、原作者の浅野いにおが参加した。
【後章】封切りを祝して総勢10名の『デデデデ』メンバーがズラリと登壇。公開の喜びをそれぞれ語った後、本作を【友情】【恋愛】【対決】の三つのテーマに分けて、スクリーンに劇中シーンの写真を投影しながらトークを展開した。
小山門出役の幾田は門出と凰蘭の関係性について「世界中の全員を敵に回しても守りたい存在というのは憧れます。良いところも悪いところもすべてをひっくるめて愛せる存在が隣にいるのは素敵なこと」と二人の仲に羨望の眼差し。
中川凰蘭役のあのも「絶対的な存在が傍にいるのは羨ましい。友情や青春は自分が経験してこなかったことでもあるので、この作品で疑似体験をさせていただいて、自分の学生時代の事を書き換えることが出来て悪いことも良い思い出に変えられるような気持ちにさせてもらいました」としみじみしていた。
そんな二人に浅野は「最初は上手く話せない雰囲気もありましたけど、今の距離感はどうですか?」と質問。それに幾田は「最初に比べたらちょっとずつ距離は縮まっている気がする」と答えると、あのは「最初は友達とは思えない距離だったけれど、今は縮まっているし、二人でゴハンにもやっといけました」と報告した。そのゴハン会は焼肉だったそうだが、あのは「二人とも焼肉経験があまりなくて、どっちが焼く?これ何の肉?ってなりました」と笑うと、幾田も「お互いに焼き合ってあげあって…みたいな感じでした」と楽しそうに振り返った。
一方、出元亜衣役の島袋は、印象的なシーンについて「大学に入って尾城先輩が現れてからのおんたんは、押される側になってツッコミ側に回る。今まで見られなかったおんたんが見られて嬉しかった」とピックアップ。
平間凛役の大木は「高校生時代の夕暮れの帰り道が印象的。前章の日常から後章へと目まぐるしく変わっていく中で、その帰り道だけが安心する時間だと思いました」と話した。
非常事態の東京にやって来る田井沼マコト(白石)と竹本ふたば(和氣)の絆について、白石は「運命!ふたばのおかげ、マコトを受け入れてくれたから」と言えば、和氣も「ふたばは何に対しても偏見を持たなかったので、マコトに対しても侵略者に対しても偏見を持たなかった。だからこそ、マコトや他の女の子たちとも仲良くなれたと思う。大学でも新しい友情が芽生えて、それが羨ましかった」と解説した。
後章では凰蘭と大葉、そして門出と渡良瀬のラブストーリーが見どころの一つでもある。凰蘭が告白するシーンのアフレコ収録を振り返ってあのは「たくさんの方の前でアフレコすることに緊張していたし、大事なシーンだったのでできるかな?と思ったけれど、後ろにいた声優の皆さんからの反応が『凄い!』みたいな感じだったので嬉しかった」と喜色満面。これに大葉圭太役の入野は「完璧なシーンでした」と絶賛していた。
一方、渡良瀬役の坂は「渡良瀬を演じながら悪い男だなと思ったけれど…実際にあのような男はどうですか?」と幾田に質問。幾田は「渡良瀬先生は門出からしたら大人なので、一生懸命背伸びしたり、一言一句に翻弄されたり、自分をコントロールできなくなる門出の感じは学生時代の自分とも重なる。気持ちがわかるので、言われるがまま掌の上で転がされていました」と笑いつつ共感を寄せていた。
世界を救おうとする大葉と敵対するする小比類巻健一の壮絶なシーンも後章のハイライト。入野は「アニメーションスタッフチームが魂を削って作っているシーンで、ハラハラするし手に汗握る感じが音楽からも伝わってきました」と感動すると、小比類巻健一役の内山は「最後の対決は原作から膨らませた映画ならではの展開。小比類巻が行くところまで行ってしまったことを表す重要なシーンで、色々なものがギュッと詰まったクライマックスでした」と絶賛した。
そんな内山について浅野は「目の鋭さが小比類巻と通ずるものがある」と冗談めかしながらキャラクターにピッタリだと太鼓判。
他方、入野は大葉と自身のリンクについて「性格的には違うけれど、違うからこそアプローチがしやすかった」と述べた。
また幾田は、門出と凰蘭がキスするシーンについて「友情や恋愛という垣根を超えた信頼を表現するために作ったシーンですか?」と原作者・浅野に質問。これに浅野は「愛情が高ぶるとおんたんというキャラクターはキスをしちゃう。キステロです。その一番盛り上がった状態をラストシーンでおんたんと門出で描いた」と解説すると「キステロだったとは…」と驚く幾田の一方で、あのは「ぼくはおんたんに共感する部分が多いと思って演じていたけれど、キステロは…しないな」と苦笑い。すると浅野は「いやいやそんなことない、あのちゃんだったらわかってくれるはず」と言い張り、あのは「しないですっ!」ときっぱり否定していた。
最後は完成&公開を祝して、全員で協力してくす玉を割り大団円。
幾田は「私はこの作品を経て、自分の命が終わる瞬間に何を大切にするのか、何を幸せと感じるのか考えるきっかけになりました。私も青春や人生を謳歌したいと思いました」と語り、あのも「世界が終わったら誰を大切にして、自分の気持ちのどの部分を強くして、どう向き合うのか考えた。作品を通してぼく自身も成長することが出来ました。声優初挑戦でしたが皆さんのお陰で楽しく素敵な作品に関われて嬉しいです」としみじみし「早口も上手になりました!」と嬉しそうに報告した。
浅野は「自分のキャリアでは比較的王道の漫画を描いていたと思っていたけれど、実際に見返してみるととんでもなく変な作品。起承転結のルールも守っていないし、情報量が多い割には余白の多い不思議な作品だと思いました。でもそんな余白の部分こそが、自分が描きたかったことだと思いました。皆さんの記憶に残る作品になってもらえたら嬉しいです」と大ヒットを祈願していた。