『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション<後章>』の“デデデデ女子部”イベントが6月5日に都内映画館で実施され、声優の白石涼子、和氣あず未、島袋美由利、大木咲絵子、アニメーションディレクターの黒川智之氏が登壇した。
5月24日に行われた<後章>の初日舞台挨拶では、小山門出役の幾田りらや中川凰蘭役のあのなど総勢10名が登壇したが、そこで幾田と初対面したという和氣は「完成を見るまでお芝居もわからなかったんですけど、“こんなにナチュラルなお芝居ができるんだ!”ってめちゃめちゃ勉強になりました」と幾田の演技を絶賛し、島袋は初日の夕方開催だったにも関わらず鑑賞2度目の方がいたことを挙げ「見れば見るほど面白さがわかる作品なのかなと思ったので、みなさんも2度、3度と見てほしいです」とアピール。登壇はしなかったが、客席から見ていたという黒川氏は「10名横並びの姿が壮観すぎて、ヒーロー映画で全員集合しているかのようだった」と目を輝かせた。
また、自身の役を演じる際に意識したことなどを聞かれると、誰からも愛されるかわいい存在になりたい金髪ロン毛のウィッグがトレードマークの男の子・田井沼マコト役を演じた白石は、一瞬、戸惑いもあったそうだが「キャラクターの見た目もかわいいし、私自身、今まで男の子っぽい女の子とか、中性的な男の子の役柄が多かったので、“私らしくやればいいのかな”と思って、男の子を意識しつつ、みんなといるときは賑やかしになるような感じで演じられたらいいなと思いました」と吐露した。
すると、マコトのことが「かわいい」と目を細めた和氣は、白石の演技について「意識しているかわからないんですけど、歯抜け感をお芝居で感じました(笑)」と独特な表現をして会場の笑いを誘うと、白石は「(マコトは)口を閉じていても歯が出てるからね(笑)。ありがとう」と笑顔を見せた。
同じ質問に、門出と凰蘭と同じ大学に通い、侵略者を擁護する団体「SHIP」に参加し活動する竹本ふたば役を演じた和氣は、ふたばについて「平和主義で自分の正義に従う子」と説明し、自身も平和主義だと共感しつつ「私は現実を見たくない平和主義なんですけど、ふたばちゃんは目を背けないで自分で声を出す子なのですごいなと思います」と感嘆。加えて、原作者の浅野からは「1番の嫌われ役」の設定であると説明を受け「私は侵略者の味方になっていたんですけど、主役は人間目線なので、何が正解かわからなくなっちゃうなと思ったんですけど、私はふたばちゃん役として正義に従おうと思って、信念を貫いてお芝居をしていました」と力強く語った。
これに、ふたばとは高校の同級生で、ともに上京してきたマコトを演じた白石は、マコトの立ち位置からふたばを見ていたといい「ふたばがいてくれたから(マコトは)みんなとも仲良くなれたし、大葉くんに呼ばれておんたん(凰蘭)の過去を見に行ったりしたので、“ふたばありがとう”って気持ちでいっぱいです。大好きです!」とコメントすると、和氣は「わぁ…嬉しい!」と白石と見つめ合い喜んだ。
門出と凰蘭とは高校の同級生で同じ大学に進学した仲良し5人グループの出元亜衣役を演じた島袋は「原作を読んでいても『おばあちゃんぽい』と言われることが多かったので、おばあちゃん感ってなんだろうって考えたときに、丸っこく喋ってみようと思って作っていきました」と打ち明け、弟がたくさんいる面倒見のいい女の子という一面もあるが「弟とお話しするときは、ちょっとお姉ちゃん感を出せたらいいなと思い演じていました」と状況によって演じ分けたことを告白した。
同じく仲良し5人グループの平間凛役を演じた大木は、島袋と一緒に収録を行なったそうで「第一声を聞いたときから“これは亜衣ちゃんだ”って思いました」と感心し、亜衣の家でパーティーをやるシーンでは母性を感じたそうで「安心して収録に臨むことができました(笑)。(亜衣役が島袋で)よかったです」と感謝した。さらに黒川氏は、原作を読んだ際に亜衣の声の方向性が定まっていなかったことを明かし「島袋さんの声を聞かせていただいたときに“ここだ!”って、ストライクゾーンがピタッと見えた感じがありました」と脱帽し、「5人のバランスを見ても存在感があるし、負けてないし、ツッコミ役だけど門出と凰蘭を包み込むような優しさがあったので、すごく嬉しかったです」と絶賛して島袋を照れさせた。
そして、平間凛役を演じる大木は、前章で栗原キホと凰蘭が恋バナに盛り上がるのをよそに、凛がひとりでクラスメイトを見ながらBLを妄想している描写から「ボーッとしているように見えて、自分だけの世界に入っていろんなことを考えているマイペースな子」と分析し、「マニアックでもあって、BLやロリータ系のかわいい服も好きだし、どんどん深みにハマっていく子で、そこにおんたんとか門出とか大切な人たちも入っていると思ったので、それを大事に演じよう思いましたし、先生からは『つぶやくように』ということで、あまり声を出しすぎないように気をつけました」と打ち明けた。
すると、和氣は「私は学生時代にBLがすごく好きだったし、休日たまーに家でロリータ服を着て写真を撮ったりしていたので、この作品で1番仲良くなれそうなのは凛ちゃんです」とカミングアウトし、MCからその写真はまだ持っているか追求されると「ないです」と即答したが、疑いの目を向けられると「あります」と白状して観客を笑わせた。
さらに、後章では海で遊んでいるシーンで「ふふっ!あははっ!」というセリフしかなかったという大木だが、亜衣の弟の黒騎士こと“しょうしろう”をはじめ、そのほかの弟の声も演じていることを明かし「しょうしろうだけ見た目が中2的に染まっていて、『スカした感じで』とディレクションを受けたので、自分の中学2年生時代を思い出して演じました」と話し、中学2年生時代はスカしていたのか尋ねられると「たぶん…スカしていたと思います」とぶっちゃけて会場を沸かせた。 また前章で大葉圭太と一緒に雪だるまを作って遊んだ幼い兄弟の声も大木と島袋が担当したと打ち明け島袋からは「今の話しを思い出しながら映画を再度観てみて欲しい」とアピールした。
最後に、ぞれぞれの推しキャラをテーマにトークを行う予定だったが、それまでの話が盛り上がりすぎて時間がなくなってしまったため、フォトセッションの準備をしている少しの時間で名前だけ発表することに。白石はオカルト研究会の会長・尾城先輩、和氣と島袋は門出が片思いする高校時代の担任教師・渡良瀬先生、大木はアフレコでも参加したという侵略者を挙げた。