本作の“阿鼻叫喚”試写会イベントが5月7日に都内で実施され、映画大好き芸人のこがけん、ピン芸人のキンタロー。が参加した。
最初にステージに登場したこがけんは、本作に登場する下品なプロデューサーを模したオレンジ色のスーツを着用し、作品のすごさを語った。感想が主演のデミ・ムーアの話に及ぶと、MCがそこに準備されていた「ろくろを使って、なにかぜひ」と無茶ぶり。
こがけんは、デミ・ムーアの出世作、名作恋愛映画『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)の主題歌『アンチェインド・メロディ』をアカペラで口ずさみながら往年の名場面を再現するかに見せたボケで笑いを取ると、そこに『サブスタンス』のデミ・ムーアのようなロングヘアに黄色いコート姿のキンタロー。が、「ウェイト!ウェイト!ウェイト!『ゴースト』はもう古いのよ~!」と叫びながら、舞台に殴り込み!おもむろに黄色いコートを脱ぎ捨て、劇中のデミ・ムーアと同じ青色のレオタード姿で、劇中さながらのエクササイズダンスを披露した。その勢いにこがけんも誘われて一緒にダンスを始め、本家に負けず劣らずのカオスな展開となった。
「今の時間が『サブスタンス』よりもホラーな時間だった」と悲鳴を上げるこがけんの横で、デミ・ムーアに成り切りながらキンタロー。は「アイ・ワズ・ベリーベリー・ムーアに凄く共感。歳を重ねた女性の内面のベリーベリー葛藤に私は涙した。最後まで観て、どんな学びを得るのかと思いきやオー・マイガー!アンビリーバボー、怖すぎてビックリしてちびった。まだ引きずってる。前半と後半でビックリするからウォッチ・イット!」と本作の感想を興奮気味にまくしたてる。
こがけんも「主人公のエリザベスを演じたデミが重なるし、何よりもこの役を演じたデミが凄すぎる。ヒット作出演の常連だった時代から歳を重ねて、『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』では、全身整形だと揶揄されたりする中でこの役を引き受けたことで、自らの人生をまさにセルフパロディにしている。俳優魂を感じました。さらに本作でアカデミー賞にノミネートもされて、このようなタイプの映画でノミネートされるのは凄い事なんです。すごい!」と熱弁。これにキンタロー。はデミ・ムーアに代わって「センキュー・ソー・マッチ」と感謝しながら「本作のデミ・ムーアは肝が据わっている。すべての意味においてすべてを曝け出している」と俳優としての覚悟に目を丸くしていた。
また、こがけんは本作が芸能の世界が舞台である“怖さ”にも触れて「怖さも共感できる。“いつお払い箱になるかもしれない”という不安やストレスがホラーの要素になっていて、劇中の色々なところにその不安とストレスが散りばめられている」と分析すると、現在43歳のキンタロー。は「女性として生きていたら感じる周囲からの評価に耐えられずにデミ・ムーアが泣いてしまうシーンで、私も一緒に泣きました」と深く共感した思いを吐露。
二人は、驚愕のラストをネタバレにならないよう「鑑賞している際のリアクション顔」で表現したり、“サブスタンス”が、自身をバージョンアップさせた、なりたい存在を生み出す薬であることにちなんで、それぞれの“バージョンアップ“版を発表。こがけんは「自分よりも多くの人に知られていてインパクトもあって眼鏡もかけて大阪にいる存在…。それは、くいだおれ太郎」とモノマネを交えて披露。一方、キンタロー。は「ゆくゆくはちびっこに対して影響力の人間になりたいと思っている。そんな私がバージョンアップしたら“なまはげ”になるはず」と笑わせた。
最後こがけんは『サブスタンス』とは「S級のB級映画。攻めの姿勢しかない!」と最上級のホメ言葉で絶賛し、キンタロー。も「この作品を観て、欲をかかないのが一番、あるがままを愛そうと思った。『サブスタンス』とはお祭りであり、太陽です」とPRするイベントとなった。